年男、生まれた海へ帰る
1985年8月5日、私は大隅半島の南、大根占(おおねじめ)の海沿いにある病院で、生まれて初めての声をあげました。
年男です
天然パーマのせいで羊とよく間違われますが丑年です。
今年で36才、年男です。
今年の8月5日はお休みをとることができたので、妻と息子と3人で大隅へ行ってきました。
「故郷」は根占
私の育った地元は薩摩半島の鹿児島市ですが、母の実家が今で言う南大隅町根占(ねじめ)。里帰り出産だったため、私の生まれは大隅なのです。
祖父母が根占に暮らしていたので、年末年始やお盆にみんなで帰省するのが楽しみでした。「故郷」と言われたときに僕が思うのはこの根占。海と山に挟まれた田舎町なのです。
この日はこの上ない程の快晴。
昔よくみんなで泳いだ大浜の海岸は、ゴールドビーチとも呼ばれる、砂粒が丸く、輝かしい砂浜。眼前の海は薩摩半島と大隅半島が抱く錦江湾、その向こうにそびえるは薩摩富士・開聞岳。うまいこといけば開聞岳の方に夕陽が沈み、錦江湾と砂浜が夕陽に輝いたりもするわけです。
一番の目的だった墓参りを済ませたところで、息子を連れてゴールドビーチへ。父が生まれ育った海に触れて欲しくて。
おおきいおふろ
砂浜の独特な感触と買ったばかりのサンダルに戸惑いながら、ぼちぼち歩いて波打ち際までやってきた息子。足元にザパン届いた波に歓声を上げ、そこからはもう止められない止まらない。別に海水浴をさせるつもりではなかったのだけど、オムツごと着水しそれはそれは満喫なさいました。
息子はまだ海というものをよく分かっていなかったようで、あちこちで海を見ても「おおきいおふろねー」と言っていたのですが、この日を境にきっと分かってくれたことでしょう。海は広く大きいのだよキミ。
生まれた日に、生まれた土地へ
誕生日当日を生まれた土地で過ごした記憶は無く(幼少期にはあったのかもしれませんが)、今回過ごしてみて何だかとても新鮮な気持ちになりました。年男ということもあってか、それなりに生きてぐるり巡ってきた感とでも言いましょうか、そこそこ大きくなって帰って参りました感があって、大変有意義なひと時でした。
息子に根占の海を見せるという念願も叶いましたし。
我が家のこの夏のひとコマでした。