第25回鹿児島マンドリンフェスティバル
「ゲスト指揮者」として
2024年6月22日(土)、川商ホール第2で開催された「第25回鹿児島マンドリンフェスティバル」に、「ゲスト指揮者」としてお招き頂き、出演して参りました。
「鹿児島マンドリンフェスティバル」
今回は、鹿児島でマンドリン合奏に励む5団体の演奏と、第25回を記念しての合同演奏という内容でした。合唱界隈でいうところの「県合唱祭」のような位置付けのイベントだと理解しています。
・マルゲリータ・マンドリーノ鹿児島
・鹿児島マザーズマンドリンアンサンブル
・鹿児島大学マンドリンクラブ&OB・OG会
・吉松中学校マンドリン部
・マンドリンアンサンブルFelice
の5団体がそれぞれに演奏を披露し、最後に約60人の合同演奏でドカンと締めくくり。私はその中で、マルゲリータ・マンドリーノ鹿児島の単独演奏と、合同演奏の指揮を担当しました。
ご縁
合唱指揮者である私が、「器楽」の指揮を。
鹿児島を拠点に熱心な活動を続けておられるギタリスト・濱田貴志さんからお声かけ頂いた今回のご縁。濱田さんとは認定NPO法人かごしまアートネットワークの理事としてともに過ごしており、過去にも2度ほどマンドリンオーケストラの指揮の機会を頂きました。それにも懲りずに(!)、今回もご指名くださったというご縁です。
マルゲリータは福屋篤作曲「巨樟の畔」を、合同演奏ではフルート、クラリネット、パーカッション、コントラバスにゲスト奏者を迎え、藤掛廣幸作曲「グランド・シャコンヌ加筆版」を演奏しました。
異なるジャンルに学ぶ
器楽。歌のない音楽を指揮する中で、異なるジャンルだからこその発見や学びが多々ありました。
例えば、奏者はパート譜であること。総譜を持つのは指揮者だけ。もちろんハナからわかっているのですが、「合奏」では当たり前のこの事実すら、私には異文化。合唱は多くの場合全員が総譜を持っているので、音楽全体がどう構成されているかを全員が見ることができます(読めているかどうかは別として)。これだけのことが、私にとっては練習の進め方や奏者との対話の在り方にも影響しました。パート譜だけを持つ奏者に、どのように音楽全体を共有するか、どのようにして共通理解を図るかは、常々考えました。
その他にも、描く図形の大きさ、示す打点の高さ、体感では合唱の時との違いが大きく、悩み試しながらでした。練習初回から「わからん時はわからん!と言って下さい」とお願いしたら素直に「わからん!」が何度か返ってきたので笑、その都度修正をしながら、音楽を練ることができました。遠慮しないで教えてくださって本当にありがたかったです。少ない練習の中でも確実に高め合うことができました。
いかに弾きやすくするか
私が合唱指揮を学ぶ師匠・松原千振先生は、レッスンの中で常々「いかに歌いやすくするか」「指揮が合唱団の歌を邪魔しないこと」と仰います。
今回ジャンルは違えど、指揮者として大切なことは同じだと考え、明確に、シンプルに、「奏者にとって弾きやすくあること」を最優先に取り組みました。特に合同演奏では、企画の性質上当日に合流されるメンバーも多くおられるということで、気を衒わずに明瞭な音楽を描こうと取り組みました。もちろんそれは、楽曲がそもそも素晴らしいエネルギーを持っており、明確でシンプルに取り組むことこそが楽曲と奏者双方の魅力を引き出すことになると考えてのことです。
そうして駆け抜けたコンサート。
体感では、マルゲリータも、合同演奏も、本番がベストの演奏でした。その点には確信があります。指揮の反省点は多々あるので、奏者の皆さんにとって果たして「弾きやすい」指揮だったかどうかはわかりませんが…作品の魅力に迫ることができたように思っています。
満喫した息子
妻と息子が聴きに来てくれました。静かに座っていることができるか心配だった息子ですが、普段とは違う、大規模な合奏の真ん中に立つ父親の姿がとても新鮮で、そしていろんな楽器の音が聞こえてくることがとても嬉しかったようで、前のめりに聴きながら満喫していたようです。彼にとっても、嬉しい音楽体験になりました。親としてもとても嬉しいです。曽木家の長としても、御礼申し上げます!
御礼
今回、貴重な機会をくださった濱田さんと鹿児島県マンドリン連盟の皆さま、そして拙い指揮にも応えてくださったマルゲリータ・マンドリーノ鹿児島の皆さま、合同演奏に出演してくださった皆さま、本当にありがとうございました。
そしてお聴きくださった皆さま(合唱団からも、私の珍しい姿を見ようとたくさん来て下さいました笑)、ありがとうございました。
鹿児島県マンドリン連盟と各団体のこれからの益々の発展を祈念致します。またいつか、音楽の場でお会いできましたら幸いです。
おまけ
合同演奏「グランド・シャコンヌ」が濱田さんのyoutubeチャンネルで公開されたようです。ぜひご覧ください。