ヴァッシュのようにありたいと思いながら、銀時にもなれない。
トライガンというマンガがある。
地球から離れた荒野の星で繰り広げられるアメコミと西部劇がミックスされた世界観を持つガンアクションで、詳しくはやっぱり本編を読んでほしいのだが。
主人公は地球で生まれた人類とは違いプラント(プログラムによってあらゆる資源を生み出す生体ユニット)の中から人間のように自立できるようになった変異種で。
不老ではあるものの不死ではなく長い時を多くの大切な人の死や裏切りなどを経験して生きている。
主人公は不殺の誓を立てており、敵であろうと味方であろうと全ての人間に家族のように接する。
主人公ヴァッシュ・ザ・スタンピートを評するセリフにこんなのがある。
「ヴァッシュ・ザ・スタンピードの身内の概念は阿呆ほど広いんだ」
今でもこのセリフはうる覚えでも記憶してるし、
憧れる。
でもこんな生き方はできないってことも十分わかってる。
わかってるからこそ憧れるし、ヴァッシュ・ザ・スタンピートがその枷に苦悩しながらも貫こうとする姿がカッコいいのだ。
人類全てを身内のように愛するなんてやろうと思ってもできない。
反対に、と言うわけではないけど
銀魂というマンガがある。
主人公坂田銀時が万屋の仲間と織りなすギャグマンガだが、知ってる人がほとんどだと思うのだが、
激しいアクションと泣けるストーリーが盛り込まれたギャグマンガでありながらエンターテイメント性に溢れた作品である。
そんな主人公の坂田銀時の台詞
「いいか、てめえらが宇宙のどこで何しようと構わねえ。だが俺のこの剣、こいつが届く範囲は、俺の国だ!」
銀時は過去に宇宙から地球に攻めてきた天人(要は宇宙人)の侵略で戦い、仲間や大事な人を失った。
彼は国や幕府の為に戦ったわけではなく、横にいる仲間を親しい人を守る為に闘っていた。
そんな彼は今も昔も変わらず
自分の手の届く範疇の人を何としても守る
という思い。
これも自分の心に強く残ってる台詞。
範囲で言えば銀時の方が狭く、こちらの方が実現可能に感じるが、
果たして、自分にできているだろうか?
そして、本当に守らなければならない時に
自分は、
自分の手(剣)が届く範囲を守れるのだろうか。
人によって大事なものは違うし、信念や思想も違うので自分の守りたいものは違う。
今の段階で自分が一番に守りたいものは
「家族」
になっているが、
そうなることで無関係な子供や家庭も不幸になってほしくないと思うし、
自分が一番に守りたいものの為にも世の中、国、社会が安定して争いや、不安がないようになってほしいと思う。
自分が憧れる
ヴァッシュと銀時ほどの力がない自分が、
結果的にヴァッシュと銀時と同じものを守りたいと思っている。
彼ら二人のような力があればなと思う昨今。
どうか、あの人が欲しているものが、多くの命を奪ってまで欲するほどじゃないと思ってくれることを願う。