下戸による、下戸のためのビール情報
お題:「ビール」by 福島 千里
唐突ですが、私は酒が飲めません。
いや、まったく飲めないわけではないんです。たんに飲める量が人と比べてあまり多くないだけなのです。要するに、下戸。
お酒は大人の嗜み。大切なコミュニケーション・ツール! そう信じて20~30代のころはそれなりのトレーニングも積んだわけですが、これがまったく結実せず。40代になると加齢も追い討ちをかけ(シクシク)、むしろ飲酒量は減る一方。私の飲酒キャパですが、具合的にどのぐらいかと言いますと、ワインをグラスに4分の1、ビールなら小コップに半分ぐらいで酔い潰れる自信があります。
なので、今回のお題「ビール」が決定した時、「はて、どうしよう」と首を捻りました。が、きっと私のような下戸は多いに違いない(私の周りには酒豪しかいないけど!)。それでもきっとお酒を飲みたいと焦がれている人はいるはずだ!そして近年のニューヨーク、もといアメリカは下戸にさらに優しい!(飲めなくても日本のように飲酒を強く勧められることはない) というわけで、最近ハマりつつある、至極個人的なノンアル・ビール情報をちょっとだけ紹介しようと思います。
日本の酷暑に比べたらきっと大したことないんですが、こちらニューヨークもこのところずっと猛暑続き。気温は連日30~35℃(時に40℃近くなる時も)。しかし日本と違って湿度がかなり低い。こんなお天気が続くと、やっぱり飲みたくなるのはビールですね♪
「飲めないくせに何言ってんだ」という声が飛んできそうですが、私の場合、「どの酒もグラスに半分未満しか飲めない」だけであって、「一滴も飲めないわけではない」のです。お酒の味は嫌いではありませんし、味も香りも理解した上で好みだってちゃんとあります(ちなみにビールであれば、ベルジャン・ホワイトやアンバー・エールなど、香り高く味わいも軽やかなものが好みです)。太陽がギラギラと照りつける夏日に熱々のBBQにかじりつきながらキンキンに冷えたビールをゴクリといただくなど最高です(ただし小コップに半分まで)。
そして何よりここニューヨーク、いやアメリカ全土でノンアル・ブームは全開であります。もともとその兆しはあったのですが、決定的なものしたのが今回のパンデミック。この未曾有かつ現在進行形の出来事は、人々がライフスタイルそのものを見直す大きなきっかけになったわけですが、その中には飲酒のあり方も含まれているのです。“過剰なアルコール摂取は健康によくない”。そんな意識が改めて人々の間で強まり、その期待に応えたのか、ビールに限らずワインや蒸留酒などの酒造メーカーもノンアル商品をリリース。最近は小さな町の酒屋でも専用売り場を見かけるようになったのです(ついに下戸にやさしい時代がやってきた・・・!)。
お待たせしました。では、まいりましょう。
まず一発目のおすすめノンアル・ビールはこちら。
Brooklyn Brewery(ニューヨーク)
ブルックリン区ウィリアムズバーグにあるニューヨークを代表するビールメーカーのノンアル・ビールです。サイケデリックなデザインがかっこいいんですが、なんだか酩酊状態で凝視し続けると危険な感じのデザインが目印。でも、ノンアルなら酔わないから大丈夫! が、しかし! 実際にスイスイ飲んでみて10分後ぐらいからなんだか頭がほわわーん・・・スペシャル・エフェクトが歪んで見える・・・。あれ・・・?
缶の表示をよくみたら、アルコール度数0.5%って書いてあるじゃないですか。ゼロじゃないのか・・・。
どうも“ノン・アルコール”の定義がアメリカではアルコール度数0.5%以内となっているようなんですが、ポンコツ・ドリンカーにはたとえ0.5%でも効果的面だったようです・・・。ただ、酩酊の度合いは通常ビール(5%前後)よりも緩やかだったので、“お酒にあまり強くない”といった人には良いかもしれません。しっかりビールの香りも味もするし、味わいはドライ。アルコール初心者でもきっと飲みやすい1本です。
しかし私のような下戸にはやはり0%のビールを! ということで、私が夏になると愛飲しているのがこちらです。
Ceria Brewery(コロラド州)
今度こそアルコール度0%のビールです。ニューヨークの地ビールじゃないんかい!と突っ込まれそうなんですが、すみません。今のところ、これがマイ・ベストです。やや甘いですが、とにかくフルーティで喉越しよく、とても飲みやすい。そしてなにより酔いません。これを書いている今も飲んでますが、頭も意識も正常を保ったまますでに30分が経過しています(普通のビールだったら15分後に陥落)。他にもCeriaではノンアルのIPA(苦い)も出ており、今後も色々なノンアル・ビールを出してくれるんじゃないかと期待しております。
他にもノンアル・ビールんl種類は増加中なのですが、とりあえず今回はここまで。ちなみにニューヨーク市内ではパンデミック中にノンアル専門店もオープン。ここではビールはもちろん、ワインや蒸留酒など(酒とは言わないか)、実にさまざまなノンアル飲料が楽しめるのです。支店も順調に増えているようで、私のような下戸でも、そして飲めるけどあえてアルコールを飲まない人たちの間でも、ノンアル文化はどんどん盛り上がっていきそうです。
◆◆福島千里(ふくしま・ちさと)◆◆
1998年渡米。ライター&フォトグラファー。ニューヨーク州立大学写真科卒業後、「地球の歩き方ニューヨーク」など、ガイドブック各種で活動中。10年間のニューヨーク生活の後、都市とのほどよい距離感を求め燐州ニュージャージーへ。趣味は旅と料理と食べ歩き。園芸好きの夫と猫2匹暮らし
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