コロナからIPA、ベルギービール、そしてキリン一番搾りへ
今回のテーマ:ビール
by らうす・こんぶ
コロナと言いましても、あの人類の敵のことではありませんよ。コロナビールのことです。
ニューヨークに住んでいた時は、アパートの近くの小さな個人商店で6本入りのコロナビールを買うのが6日に一度の恒例行事で、晩ご飯の時にコロナのボトルにライムジュースを搾り入れて飲むのは毎日の恒例行事でした。バーなどではコロナについてくる一切れのライムをボトルの中に突っ込んで飲む人がほとんどです。むかし見た日本のトレンディドラマでは、女優さんがそうやってコロナを飲んでいるシーンがあって、その頃はそれがオシャレに見えました。
でも、私はそれはしませんでした。ライムを中に入れてしまうと、ボトルをリサイクルする時にライムを取り出すのに余計な手間がかかってしまうんじゃないかと思っていたからです。あれ、本当にリサイクルする時どうしてるんだろう?
日本のビールも売っていて、しかもそれほど高くなかったので、たまにキリンとかアサヒを買ってくることもありましたが、すぐにコロナに戻りました。ニューヨークで飲む日本のビールは日本で飲むビールと味が違うんです。高くなかったから、日本から輸入しているのではなくて、米国内のどこかで製造しているんでしょう。一般的なアメリカ産のビールの味で、日本のビールの味ではなかったような気がしましたが、私の気のせい?
私が住んでいたところは元々アイルランド人が多く住んでいたので、その名残でアイリッシュバーがたくさんありました。アイリッシュバーの特徴は、ほとんど窓がないか、あっても小さくてしかも中が暗くて見えないので、初めて入るのは勇気がいるということです。でも、長年住んでいたので、時々一人でもビールを飲みに行くようになりました。やっぱり、たまには瓶ビールじゃなくてドラフトビールが飲みたいし。
私が好きだったのは、IPA (Indian Pale Ale)です。ちょっと青草のような苦味があるような味で爽やかなので、特に夏にはもってこいでした。ニューヨークではどこのバーでもIPAを置いていたけど、東京ではなかなか見つかりません。
それから、マンハッタンにベルギービール専門のバーがあって、時々友達と行ってました。いつも行く時は「あそこのいつものベルギービールの店」と言って待ち合わせていたので、いまだに店の名前がわかりません。そこではいつもビールとベルギースタイルのフライドポテトを頼んでいました。どこがベルギースタイルかというと、ソースにケチャップだけでなく、ガーリック入りのマヨネーズもついてくるところ。ビールジョッキやマグではなく、大きめのワイングラスのようなグラスに入ったベルギービールとベルギースタイルのフライドポテト、これ、病みつきになります。
帰国してからは、近くのスーパーで手軽に手に入るので、自然と日本のビールに回帰して行きました。今、いつも冷蔵庫に備蓄しているのはキリン一番搾り。日本のビールは食事と合うように作られていると聞いたことがあります。だからか、やっぱり日本のビールは日本人が好むような食事によく合いますね。
今は、食事の時にコロナが欲しいとは思わなくなりました。近くのスーパーでも6本入りではなくバラで売っていますが、もちろん、ニューヨークで買うより高いし、日本のスーパーの棚に並んだコロナはなんだかよそよそしくて。でも、時々、IPAやベルギービールは、フライドポテトやガーリックトーストをつまみながら飲みたいと思います。
らうす・こんぶ/仕事は日本語を教えたり、日本語で書いたりすること。21年間のニューヨーク生活に終止符を打ち、東京在住。やっぱり日本語で話したり、書いたり、読んだり、考えたりするのがいちばん気持ちいいので、これからはもっと日本語と深く関わっていきたい。
らうす・こんぶのnote:
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