2024/01/15 「左義長」
赤い火は大きくて怖かった。
ふわりと舞う半紙には墨で書かれた文字がまだ残っていた。火の粉は雪で消え、燃え残った文字が地面に落ちる。
ふわり ふわり ふわり
白い雪と黒い燃え滓と赤い火の粉が宙を舞う。
巨大な火に地面の雪は解け、土が見えている。けれど、すぐにそれは雪の地面へと変わる。校庭に集まったのは千人の子どもたち。
子ども こども コドモ
大人たちが火の傍で習字作品やしめ飾りの藁の部分を外して入れていく。
次の年にはその光景は消えた。
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