2023/12/26 眠る山(ねむるやま)
目が覚めると外は真っ白だった。山も白い。山の上だけだと思った白はあっという間に麓まで降りてきてしまった。
山の上は雲の中で見えはしない。唐突の雪への準備がされてないわけでもない。いつもよりも雪が降るのは遅いのだから。
「とがり山が三度白くなると、ここも雪になる」
そんな話はただの目安だとは分かっている。雲の中の山は白と言うより灰色だ。
「まだ、一度も白くなっていなかったのに」
はぁと吐いた息が白く染まった。
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