2023/12/30 年の宿(としのやど)
ざわざわと音がする。今年も巡りの13人が集まったようだ。数の増減はあるが、話の筋は変わらない。年ごとに神様がいて、巡るという神話。
「おや。珍しい」
私に気が付いたのは古参の猫だった。彼女だけはなぜかここ数百年、どの場所でも神入りしている。
「一人、迷子になってた」
私は家守の背中を押す。
家守に牙を伸ばしていた猫をつまみ出して、家守を中へ入れる。
猫は茫然と私を見上げた。
神は今年も13人だ。
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ざわざわと音がする。今年も巡りの13人が集まったようだ。数の増減はあるが、話の筋は変わらない。年ごとに神様がいて、巡るという神話。
「おや。珍しい」
私に気が付いたのは古参の猫だった。彼女だけはなぜかここ数百年、どの場所でも神入りしている。
「一人、迷子になってた」
私は家守の背中を押す。
家守に牙を伸ばしていた猫をつまみ出して、家守を中へ入れる。
猫は茫然と私を見上げた。
神は今年も13人だ。
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