2024/11/13 吾亦紅(われもこう)
移りゆく日々の中で、風が冷たくなる。
「寒いね」
同居人が風に舞う葉っぱを見ながら言った。その中であまり目立たない花が揺れている。実のようにも見えたけど、近づくと小さな花が集まっているのがわかる。
家の中から見ると『実』にしか見えない。もう、寒いからかその実も小さい。
「そうだね」
同居人に答えながら、ゆらめく『実』を見ていると同居人が首を傾げた。
「あれは、食べられるの?」
「無理だったと思う。お芋、焼こうか」
同居人が頷くので今日のおやつは焼き芋になった。
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