2024/09/25 秋旱(あきひでり)

「暑い……」

一度涼しくなった後の暑さは、身体にじわじわとくる。油断してしまった気力と体力は暑さについていけない。

ぐったりとした身体に鞭打つように無理やり動かしてみるけれど、頭がそれに着いて行かない。
あ。っと思う間もなく、足が宙に浮いてしまった。たった一段。踏み外すほど高い段差でもないというのに、バランスを崩した身体を止めることも出来きない。

気が付くと尻もちをついた形で座り込んでいた。お尻が痛い。背中の方までこすれたような痛みが広がってる。

「盛大な音がしたけど、大丈夫?」
「うーん。骨は折れてない。擦り傷だけ」

「暑いんだからさ。無理しない方がいいよ」
背中をさすってると、「血が付いてるよ。着がえたら?」と言われてしまう。外に出るのは諦めて、家の中に引っ込むことにした。

涼しさはもう少し先にあるらしい。

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