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「お変わりありませんか?」に答える難しさ
「お変わりありませんか?」
1年ぶりの歯科検診でこう聞かれた。悩んだ結果、
「出産しました。」
と答えた。出産前後には歯の状態が変わると聞いたことがあり、伝えておくべきかなと思ったから。しかし歯科助手さんは
「…え?」と明らかに困った返事をした。
私「あの、出産前後には歯の状態が変わると聞いたことがあったので、一応お伝えした方がいいかなと思って…」
歯助「あぁ、そうですね。酸性になりやすいですもんね。」
慌てて補足説明をし、なんとか伝わった。
9割の患者さんが「特に何もありません。」か「少し歯が痛くて」と答えるのならば、「出産しました。」は予想外すぎて言葉が出なかったんだろう。
「この人歯医者で急に出産報告してきたけど、どういうこと?おめでとうを言えばいいの?」
と混乱させてしまったのかも知れない。わたしが慌てて説明するまでの数秒間、そんな風に思わせてしまったなら申し訳ない。
ただ、「お変わりありませんか?」の質問に答えるのは非常に難しい。
「彼氏ができたこと?」「引っ越したこと?」「転職したこと?」など、各々の"お変わり"を一瞬頭に思い浮かべてしまってはないだろうか。その後に、あ、そうだ、ここは歯医者だから歯のことか。と我に返り「特にありません」と答えてはないだろうか。
だとしたら、「お変わりありませんか?」ではなく、「歯が痛むなど、歯についてお困りのことはございませんでしたか?」がありがたいなと思う。
この聞き方であれば、プライベートな自分を振り返ることなく、歯のことだけを考えて答えられる。
でも、みんながそれぞれ歯医者に行っていなかった期間の"お変わり"を歯科助手さんに報告しているのだとしたら、それはそれで面白い。
「ネイル変えました。」「資格の勉強始めました。」「好きな人ができました。」
私生活の話をしてから歯を見てもらうのって、緊張が解けて安心感が生まれて良さそう。歯科助手さんの負担が増えすぎるから、こんなサービスは生まれないだろうけど。
"お変わり"を振り返る期間が長くなりすぎないよう、こまめに歯医者に通おうと思う。