人生にはカロリーが必要だ。
無性にカロリーを摂りたい日がある。
残暑が厳しいから。日々を頑張ってるから。授乳してるから。食べるための言い訳ならいくらでも思いつく。
最近、カロリー摂取したい日が続いてるから自分でも少し心配になるけれど、そういう時期なのだと割り切って食べる。ここで変に我慢するとストレスが溜まって余計に長引きそうだから、自分の体の声に従って食べる。
そして、この日のお昼はチキン南蛮でカロリーを摂る。
家の近くに弁当屋がある。そこのチキン南蛮弁当のチキン南蛮は巨大だ。120gを巨大と言っていいのか分からないけど、衣が厚くてタルタルが大量にかかっているからインパクトがすごくて、わたしは巨大と呼んでいる。お弁当屋さんには申し訳ないが、日常的に食べたら体に悪そうな、そんなお弁当。
今日のお昼にはそれを食べると、朝から決めていた。
11時ごろになり、電話で注文。夫に取りに行ってもらい、待ちに待ったお昼ご飯タイム。
夫が頼んだのはメンチカツ弁当。注文した段階で、ひとつ交換することを約束していた。
まだホカホカのお弁当を開き、チキン南蛮を夫にあげようとしたとき、あることに気が付く。大きなチキン南蛮は4分割され、一切れがものすごく大きいことに。それをあげてしまうとお弁当の中身が一気に寂しくなってしまうことに。1/5ならいいけれど、1/4をあげるって、結構大きな割合だ。
少しの時間、交換することををためらった。
南蛮の25%を失うのはきつい。かといって、一切れの半分を渡すのもなんか…。
メンチカツを一切れもらうのだから、やっぱりこちらも潔く、チキン南蛮を一切れ渡そう。そう決意し、端っこの衣がカリカリの美味しい部分を夫に差し出した。
もらったメンチカツが、ジューシーで塩味が濃くて美味しくて。この決断に間違いはなかったのだと、思うことにした。
メンチカツって家で作るには面倒なメニューだから、お弁当や外食で食べられると毎回嬉しい気持ちになる。
チキン南蛮は、思っていた通りのジャンキーさで、脂っこくて味が濃くて最高に美味しい。固くガリガリした衣で口の中を怪我しそうになるわたしを見て、0歳の娘が微笑んでいた。
カロリー摂取したい欲は満たされたかのように思われたが、夕方にはスコーン風のお菓子を食べ、夜には焼き鮭とともにご飯を3杯むさぼった。そのときのわたしは、"米を食べる"ではなく"米をむさぼる"だった。
人生にはカロリーが必要だ。体に入れたカロリーを使って、わたしは今日も、何を食べるか考えるのだ。