詩|子どもの音
子どもたちの走り回る音
板の間をどんどんいう音の中
その子の全部が生きている
小さな雑音の体内にない
身体の全部が繋がっている
命の新しい調和の音が聞こえる
向こうで親子連れが
静かにするようにと話している
それで子どもはちょっと静かに頑張りながら
それでも声でいろんな音を出している
子どもたちの在り方は
それ自体が全き音楽のようだ
全きという言葉が浅くなってしまうほど
枠のなかに囚われない音だ
常に入れ替わり変化しながら
それでも形を保ちながら
良い音を鳴らし続けている
たまにはこうしてママの仕事場に来るのもいいよね
そんなことを話しながらくつろいでいる
言葉のリズムが面白い
ニュースのような正解よりも
もっと自由な喋り方
言葉は体とつながって
言葉は心とつながって
全部と一緒に紡がれている
だから聞いていて面白い
幼いこどもの声の中
走る体の音の中
命の音が鳴り響く
音楽よりもまだ高く
高いよりも広く
人の中にだけ備わる暖かさ
広くて愉快でホッとする
空気のような
食のような
僕らのまことを生かす
気取らない高貴