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先祖代々の家をなくすことはできるのか

私の実家は先祖代々からそこに住み続けているタイプの家。

仏間には祖父からひいひいおじいちゃんまでの遺影が掲げられていて、代々農業をやっていたので、家の近くに畑があったりする田舎によくある感じの家。本家。

結婚して10年になる一人娘の私は、実家の近くに流れで住んでいる。希望はしていない。条件に合う物件が本当に実家の近くにしかなかっただけ。

祖母が施設に入ってから、実家には私の両親が住んでいるのだけど、二人もいつどうなるかはわからない。それはどこの家も同じだけど。

おまけに二人とも不健康な暮らしをしているので、放っとくとみるみる体を壊しそうな雰囲気。

兄二人は家を買ったり、それに近い状態で暮らしていたりして、私だけが賃貸暮らし。賃貸である理由は、実家がどうなるかわからなかったので、大きな決断をするべきではないと思っていたから。あと身軽でいたかったのもある。

祖母が倒れた時に帰宅させたい一心で両親に「実家に戻ります宣言」をしてしまっていたものの、祖母が帰ってこないことになり、実家に戻らねばモードが勢いを潜めていったので、今もズルズルと引っ越さずにいる。

実家に戻りたくない理由はたくさんある。

掃除をあまりしない家なので汚いとか、父が揉め事を起こすとか、母の性格が暗過ぎて嫌だとか、父が猫の去勢手術に反対しているとか、近所付き合いする自信がないとか、木造かつ日当たりが悪くて冬が寒いとか。

だからと言ってこのまま戻らなければ、また誰かが倒れた時に「もっと近くでサポートしていれば」とか後悔しそうだし、先祖代々住み続けた土地を私の「嫌だから」という気持ちによって手放してもいいのだろうかと悩みそう。

仮に戻ったとしても、私の子どもに同じ悩みを引き継がせることになるだとろうし、どうすべきかがわからない。

答えは自分で出さないといけないことはわかっているけど。

年老いた親戚を見ると皆「生まれ育った家に戻りたい」と言っているから最後の最後には私自身も実家を思う気持ちが強くなるんだろうなとも思ってしまう。そもそも私一人だけの実家ではなく、現状は祖父の妹2人・叔母・母・兄2人の計7人の実家ということになる。

次第に減っていくとはいえ、これだけの人数の実家なんだ、と思うと、ますます重みは増してくる。

メディアではよく「実家終い」という言葉を見かけるけど、決断した人は相当な覚悟が必要だったろうなと思う。

実家に戻ったら2、3年はメンタルを病んだりするだろうけど、そのうちに折り合いをつけてやっていけるものなんだろうか?とも考えるけど、メンタルを病むことはとても大きなことだし、回復や完治は簡単なことではない。

そもそも私は一軒家とか持ち家に向いていない性格なので、そこからしてしんどい。何かまずいことが起きたらサーっと引っ越せる、賃貸の集合住宅に住み続けたい。

「楽」を優先させるべきか「義務感」を優先させるべきか。

長い目で見たら結局「義務感」なのかなとか、でも無理したらほかの兄弟を恨むことになりそうとか、本当に決められません。覚悟はできません。私がもっと図太くなれば戻れるんだろうけど、んー。


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