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40代から変わる人生「記憶の道具」46
アリマンタシォン・クシュタール
今年の夏に、日本の小売業の売上No.1のセブン&アイHDに海外から買収提案がありました。その記事を見て、はじめてアリマンタシォン・クシュタール(ACT: Alimentation Couche-Tard)というカナダの会社を知りました。
この買収提案は何年も前から繰り替えされてきたということで、この覚えにくい名前をiPhoneアプリ「キオクの達人」に入れて記憶に留めることにしました。っと今月、買収価格を1兆円上げて、7兆円規模で再提案していたという記事が目に飛び込んできました。
さらに気になり、この会社を少し調べることに。早速AI検索すると、ACTは「クシュタール」や「サークルK」などのブランドで、カナダやアメリカ、ヨーロッパなどおよそ30の国と地域で事業を展開しています。その店舗数はライセンス契約も含めて約1万6700店舗ということです。セブン・イレブンが、国内だけでも約2万3000店、海外を含めると約10万6000店舗近くあるといいますから、6分の1ぐらいの店舗数です。
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ところが売上高を見ると、ほぼ同じ。ACTの2023年度の売上は718億6000万ドルでしたから、ざっくり10兆6000億円。対するセブンは11兆5000億円です。
しかも営業利益は、ACTがセブンの3倍以上あります。ACTの120 億 5000 万ドル (約 1 兆 7700 億円) に対し、セブンは 5343億円。率でみるとACTの16% に対し セブンの5%です。店舗数は1/6倍しかないけど、売上は同じ、稼ぐ力は3倍以上ということです。日本が誇るセブン、危うし!
セブンとしては、株式価値を上げるしか対抗手段はありません。ということで先週発表された経営方針の目玉は、イトーヨーカ堂やグループ内のスーパー、外食や専門店を束ねる中間持ち株会社を設けるというものでした。束ねただけでは企業価値は上がりませんから、不採算事業を売却する準備なのかもしれません。不採算の米国のコンビニも閉鎖していく方針のようです。これでどれだけ株価が上がるかが勝負です。
仮にACTのセブン買収が実現するとどうなるか? 多分、新設された中間持ち株会社は売却され、国内外を問わず、採算性の低い店舗は閉鎖していくでしょう。そうしないと、16%の営業利益率を希釈することになりますからね。
ACTの時価総額は685億ドル(10.2 兆円)、セブンは 6 兆円。ACTとしては、この買収で時価総額を1000億ドルに押し上げ、さらに2000億ドルへの足掛かりとする狙いなのだと思います。
今後の展開から目が離せません。