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御種印帳(短編小説)

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2024年3月の記事一覧

短編小説:クラスターゴースト

短編小説:クラスターゴースト

クラスターゴースト
村先ときの介 

 白南風が家の中を吹き抜ける。
 俺は自宅兼ゲストハウスである家の、開けられる窓とドアの全てを開け放って、夏の涼を確保していた。
 それだけで三十度近い暑さがどうにかなるはずもなく、俺の毛穴という毛穴から水分も塩分も吹き出し、シャツはべったりと肌にへばりついた。
 とはいえ光熱費の節約を考えれば、一人ならまだ耐えられる。
 今日は今のところ新規宿泊客のチェック

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