タイムトラベル
幼少の頃、
NHKの「みんなのうた」で
『メトロポリタン美術館』
という歌があって、
小さな女の子が
薄暗い美術館にて
思いをめぐらし、
天使の像やミイラと
楽しく踊る
という設定なのだが、
最後、少女は
”大好きな絵の中に閉じ込められ”
てしまうのである。
当時の僕にとっては、
不気味な歌で
怖くて仕方がなかったのであるが、
「どうして少女は
絵の中に閉じ込められてしまったのか」
独自の解釈をしてみた。
結論から言うと、
「空想に耽ることはよいことであるが、
一方で現実から目を背けてはならない」
という具合である。
ちょっと、
日本昔話の
『浦島太郎』にも
似ているところがある。
浦島太郎は、
浜辺でカメを助けた代わりに
竜宮城で手厚いもてなしを受ける。
しかし、その後地上に戻ると、
時は100年以上経過していて
周りの人間はいなくなり、
玉手箱を開けた浦島太郎は
皆と同じく年を取った
お爺さんになってしまう
というお話。
なんともしっくりこない感じの
お話であるが、
どことなく引きつけられるものもある。
時の積み重ねは、非常に大きなものだ。
先日、
父方の祖母が100歳で亡くなり、
通夜、葬式に
家族揃って出たのだが、
自分にとっては色々と発見があった。
普段ほとんど会話をしない父親の
実家の内情、
加えて、
その父親がどうして母親と結婚したのか、
両親が残した3人の子供たち(姉、僕、弟)
が各親にとってどういう位置付けなのか、
個人的にではあるが、
ちょっとした解釈が生まれた。
うちの家族5人は、
それぞれにマイペースで
てんでまとまりはない。
でも、
僕の友人の
元の家族も、
絵に描いたような
”しあわせファミリー”
の形をとるところは
少なく、
「家族ってそんなものなのかな」
と感じている。
僕自身は、一体、
どこから来て、どこへ向かうのか。
見当はつかないが、
今日に関しては、
やはり
外出はしない方向かもしれない。
以上
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