日記12日目
最近、僕は薄汚れたフィルターを挟んだせまい箱の中に生きているような気がする。
誰かから向けられた「ありがとう」や「ごめんなさい」がそのフィルターを通して僕を刺す鋭利な、毒の塗られた針になって心に届く。苦しくなる。そんな言葉、僕にかけないでくれ。
誰かに向けた「ありがとう」や「ごめんなさい」がそのフィルターを通してドロドロした、とても卑しい汚染物質になって相手の嫌悪感を駆り立てる。そんな言葉、言えるような人間じゃない。そんな気がする。
何を言われても傷がつく。何を言っても傷をつける。そんな気がして、上手く人と接することができなくなっていく。向けられた好意も、向けた好意も、お互いを殺していくようで、怖くなる。
この箱の中はとても窮屈で息苦しくて、換気の悪い汚れた空気が充満している、小さな箱。そこだけが僕を救う居場所になってしまった。