フィリピン、ホールセールCBDCでブロックチェーンを使わない可能性が高い──2026年までに実現か
フィリピンは2年以内にホールセールCBDCを発行する可能性が高いとインクワイアラー紙が報じた。
取り付け騒ぎになる可能性が高いとの懸念から、リテールCBDCの発行は計画していない。
フィリピン中央銀行のイーライ・レモロナ・ジュニア(Eli Remolona Jr)総裁は記者団に対し、フィリピンは2年以内にホールセール中央銀行デジタル通貨(CBDC)を発行する可能性が高いが、多くのバーチャル資産の基盤となるブロックチェーンやデジタル台帳技術を使用する予定はないと語った。インクワイアラー(Inquirer)紙が12日に報じた。
レモロナ総裁は、「他の中央銀行もブロックチェーンを試したが、うまくいかなかった」と指摘した。
CBDCは中央銀行が発行するデジタルトークンで、リテールCBDCは一般人も使用できるが、ホールセールCBDCは機関のみが使用する。フィリピン中央銀行は2020年にCBDCに関する予備調査を開始した。各国中央銀行間の調整を行う国際決済銀行(BIS)は11月、各機関はCBDCによってもたらされるリスクに対して十分な準備ができていないと表明していた。
Bangko Sentral ng Pilipinas(BSP)は、リテールCBDCは金融危機時に取り付け騒ぎを悪化させる可能性がある一方、ホールセールCBDCは国内外の支払いの効率と安全性を向上させる可能性があることを認めている。
レモロナ総裁は、「今回の決定はホールセールに限ったものだ。リテールではない」と述べた。
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