2019年上半期に聴いた個人的ヒットソングTOP5
なんというか、しばらく音楽に触れない生活をしてきたような気がします。子育ての影響かもしれません。最近になってようやく音楽を意識する時間もちょっとずつ取れるようになったものの、いざそういう機会が訪れると、それまでの情報が洪水のように入ってきてしまって、自分の中で消化不良を起こしています。
というわけで自分の為の備忘録的なものも含めて、最近聴いた音楽でグッときたものについて感想を書いておこうと思います。
なお、順位にあんまり意味はないです。強いて言うなら衝撃度の順。
■5位:留学生/MONKEY MAJIK feat.岡崎体育
別に学生時代に仙台にいたからとか空耳アワーが好きだとかそういう次元を超越した良さがある。
3月6日発売、MONKEY MAJIKが10組のアーティストとコラボした楽曲を集めたスタジオアルバム「COLLABORATED」4曲目。
それこそ「空耳アワー」を腹抱えながら笑って見てた層の人間にとっては、空耳は「おもしれーwww」ぐらいのものだったはず。この曲も面白さは感じるものの、それを飛び越えて「カッコいい!!」と思った。いや、思ってしまった。空耳の表現が、カッコいい。そんなバカな。。。何を言っているんだ俺は。。。
岡崎体育は「Natural Lips」でいわゆる「エセ空耳ソング」をつくりつつ、ラッパーとしての才能を(本職の方々にも)認められる、まさにクリエイティブな才能の塊。いわゆるコピー的な才能はあのつんく♂にも引けを取らないと、個人的には思っている。そう確信したのは「感情のピクセル」を聴いたとき。この人のクリエイティビティは分野を問わないのだろうな、と。
MONKEY MAJIK流のファンク風ディスコサウンドも中毒性が高い。ヒャダインですら「コンテンツが使い捨ての時代。次々とつくらなければすぐ飽きられる」と評する現代において、「何回も聴けるし、何回でも楽しめる曲」を生み出した功績は大きいと思う。
どうでもいいけどエセ英語風歌詞の中に「でもやっぱファンだMONKEY MAJIK, not too late」といきなりぶち込むのは、ズルい(最上級の褒め言葉)。
■4位:すべてのありふれた光/GRAPEVINE
それこそデビュー当初から飽きもせず聴き続けているアーティストは彼らぐらい。the pillowsのも第3期デビューからほぼずっと聴いている気がするけどそれはそれ。
デビュー20周年も過ぎ、円熟味という表現すら既に使われて久しいGRAPEVINE。聴く人が聴けば「変わらない」と評するかもしれないし、長いファンからすれば「毎回新鮮」と感じるかもしれない。技巧はさておき、音楽的に極端に難しいアレンジや突飛な表現は使っていない。新しい方向性、アプローチは貪欲に試しつつも、その土台となる部分がブレないからこそ、聴く側の安心感と新鮮さが担保されている気がする。
Twitter等で「尊い……」「好みの画像だから保存した……さらばだ……」っていうアレありますよね、あの感覚。
■3位:セゾン/カネコアヤノ
何だこの人天才か。なんかナ○トの登場人物みたいになってないか自分。
4月25日発売のシングル「愛のままを」カップリング。(上記動画リンクは表題曲「愛のままを」になっています)
ユニークなラジオCMでおなじみの「マイベストジョブ」のCMソングを一時期担当していた彼女。まさに「弾き語り」を地で行くストーリー性のある歌詞、うんうんうなずいてしまうストレートな描写、それを我が事のように思わせてしまう圧倒的な歌の表現力。自己流で始めたユニークな運指のアコースティックサウンドと相まって、思わず聴き入ってしまう彼女の曲。
比較してしまってはいけない気もするけど、向井秀徳(ex. NUMBER GIRL/ZAZEN BOYS)に重なる、それでいてまた違う雰囲気を持っている希有なアーティストだと思う。今のところ、生で聞きたいアーティスト筆頭。
■2位:ベートーヴェンのホワイトノイズ/PELICAN FANCLUB
バッキバキのサウンドが心地よい。
6月26発売の「Whitenoise e.p.」1曲目。5月末に先行配信という形でリリース開始。
PELICAN FANCLUB(ペリカンファンクラブ)は千葉出身のバンドメンバーが2012年結成したロックバンド。UK PROJECT所属。UKといったらあのSyrup16gやLOST IN TIMEを擁したレーベル。言われてみればどことなくシューゲイザー的な要素もありそうな気が。
楽曲の良さ、という点では他の若いバンドに比べると抜きんでているような印象。
いつ頃からか分からないけれど、最近ではWANIMAあたり、少し前ならUNISON SQUARE GARDEN、もしくは昔ならELLEGARDENといったふうに、「声の高さ」がステータスや存在感になる風潮があるような気がしてならない(もちろん、たとえ声が高かろうと低かろうとWANIMAやUSG、ELLEはいい曲をつくるいいバンドだし、いつだってライブに行きたい)。特にメジャーはやたら「歌唱力」を礼賛する気がする。
そんな中で、昔でいえばBUMP OF CHICKEN、最近なら米津玄師やあいみょんといったアーティストは、特に極端に声が高いわけでもなく、どちらかというと低い方だけど、世界観の構築と表現力(≠声の高さ)でスターダムにのし上がった、いわば「声の高さという楽器の才能に依存しない一流アーティスト」だと思う。
前置きが長くなったけど、彼らにはその素質が確かにあり、独自の世界観は今後ますます評価されていくべきだと思う。シューゲイザーといえばテレキャスターだよ(偏見)。SUPERCAR世代にとっては新しさと懐かしさが同居したような感覚で何時間でも聴けるアーティストなので、見かけたらぜひ。
■1位:アンリベール/ペンギンラッシュ
なんだただの天才か。(2回目)
正直、最初に聴いた時は「この曲作ったやつ天才」としか思いませんでした。ブラヴォー。
ペンギンラッシュは名古屋発の4ピースバンド。詳しくは公式Webなりインタビュー記事なりで各自チェックしてください。
2019年6月5日発売の2ndEP「七情舞」の2曲目。
コード進行が……凄過ぎる……。フュージョンチックな進行の中にもポップテイストが残っているというか、なんというかフュージョンとジャズとポップスのいいところ取りみたいな曲。歌詞もその音像の切り替わりに合わせて世界観(視点)が変化するというアテ書きにしては「出来過ぎている」といっていいぐらいの完成度。やや突飛ともいえる表現が幾重にも重なった結果、非常に高いレベルでの耳触りの良さ、心地よさが生まれている。
もともとペンギンラッシュの中心メンバー二人は当初ONE OK ROCK等に影響を受けてギターポップを志すも、高校生の頃にジャズに触れ世界観が変わるという体験をしていて、独特な世界観が他の第一線アーティストとは異なる点も魅力。
まだ現役大学生もメンバーに含まれているということで、今後が楽しみなアーティスト。
■終わりに
マイナーな音楽だから素晴らしい、という気はさらさらないけど、アンテナを高くして素敵な音楽に出会えるといいなと思いつつ今年残り5ヶ月ちょっとを楽しんでいこうと思います。