深夜のアイドルポエム<極>
生まれ変わりたい、人生をやり直したい……。誰にだってやってくる、そんな瞬間さ。
けれど見上げれば、月も星も――左から右に流れていって、暗闇で光る大空の時計が、逆に回ることはないんだ。so,静かな冬の夜に、僕の心だけが立ち止まっている。そんな夜さ。
けれど、たとえば……so,たとえばだけど、こう考えたことはない? 「心は時間に支配されない。心は空間にだって支配されない」って。
自由なんだよ。人は。ね?
記憶だってそうさ。
たとえば頭をガーンとっ! あたまをががーんとかって殴ってアイドルの記憶を全開で全部全部消したら、それ即ちっ! 生まれ変わったのとちょっと同じっ! そしたら僕っ! もう一度欅坂46や日向坂46をなーんにも知らない僕になれるっちゅーの! そしたら、チケットが外れまくってホントにホントにもうけやかけとひなあいしかみられなくってメッセージも怖くて読むことができない僕から、なんにもなんにもしらない僕に戻って、そこからいちから欅坂や日向坂がもう一度もう一度もう一度大好きな坂道をまっしぐらに駆け上って! チケットが全然あたらないグループだってことも全然しらなくて! いちからいちからいちからすきになれるっちゅーの!
そしたら握手会でライブの話をしたいけどライブに行ってないからライブの話ができないから今日横浜に行こうか行くまいかどうしようとか! そんな迷いなんてなくなるっちゅーの!
いつだって初体験。それが僕の信条なんだよね。
おしまい。