ラスポテト。
粉末にした芋を水で戻して成形して揚げる、いわゆる普通の「フレンチフライ」とは違った味わいのあるフライドポテト。
かつては多くの場所で見られた事からの様々な人の思い出からのなつかしの味としての想いや、工程の関係による独特の味わいによる嗜好などで、ちらほら思い浮かばれたりするような、そういう感じの存在のもの。
詳しくはwikipediaでも読んでくださいな、と投げるとこは投げる。
とにかく「ラスポテト」について、広告などの記載から追えた限りのことをなんか書いとくだけの何か。
色々あって売るのがかつてより減ってしまっているのは確かなので。
結果的にラスポテトについてというより、輸入元の「ラス・スーパーフライ社」について追う感じになってますが。
ヘッダーは広告の模写てきなもの。
日本でのラスポテトの始まり
一応の事はwikipediaのラスポテトのページと、ラス・スーパーフライ(ラスポテトの原料を日本で発売開始から輸入しているところ)の会社にあるページでだいたいのことは知ることはできます。
しかし、この年表は一気に内容が飛びます。飛んでます。
会社としてはどうでもいいことや自ら扱った商品の衰退について書くようなネガティブなことは書けないであろう事はわかります。
けど、あんまりにもざっくりしすぎてます。
なので、自分で検索できた限りのことをそれなりに書くだけ書く、みたいなことになるわけです。
知りたいけど誰も調べてねえんだから自分で見て何か考えるしかないという。
どうせ自分が何かやったって話題にも上がらないようなもんだから掘れるだけ掘ったっていいだろうと。
NDLデジタルコレクションに頼りのあれこれ。
1972年
「ぽんふれっつ(ポンフレッツ)」
国会図書館デジタルコレクションで「ラススーパーフライ」で検索すると、外食産業業界誌である「月刊食堂」が引っかかり、それに掲載されているラス・スーパーフライ株式会社の広告に書かれているのがコレです。
「ラスポテト」とは言ってないんです。
本当に最初の時には。
「ラスポテト」はあくまで愛称と。
だからまあわりと呼称バラけてるんですよね、ラス・スーパーフライでの広告でも。
このきじではそのへんのよびかたよばれかたなどをできるだけ引用します。いやなおたくなアレ。
で、同号では他にもラス・スーパーフライについて書かれた記事もあります。
調理法からの「フレンチ・ポテト」呼びに、ラス・スーパーフライの社名の由来というのもあり、「スーパーフライ」の呼称もあり。
「フレンチポテト」
雑誌「オール生活」の記事『コックさんガックリ・機械伯料理時代――省力化の波はウデが頼りの料理にも押し寄せ新機械が大受け』で様々な機械について書かれてる中で、『フレンチポテト成型機』として「ラスポテト」の事が記載。
「ラスポテト」との出会いについても書かれている。
生まれた年は1953年らしいので、これでもなし。
アヴィコ社が設立したらしい年の1962年とも、工場移転したという1967年とも違う年。
ただ単に伝聞からのなにかの間違いなのかもしれませんが。
こっちが参照したとこが間違ってただけでした。
リキソナ社になったのが1956年で、それがその年、のようで。
とにかくそういう感じっぽいです。
1985年に合併してたんで、それでそういう名前でもあるらしい、と。
1973年
「ラス・スーパーフライ」
『会社要覧 : ハム・ソーセージ業界』昭和48年度版,日本食品経済社,1973. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/11940029 (参照 2024-11-15)
https://dl.ndl.go.jp/pid/11940029/1/206
https://dl.ndl.go.jp/pid/11940029/1/207
題名通り様々な「会社要覧」の本、その中の「ラス・スーパーフライ株式会社」の項の「関連取扱商品」に『ラス・スーパーフライ』の記述
https://dl.ndl.go.jp/pid/11940029/1/283
「フレンチポテト」
機械について書かれているところで、『フレンチポテト成型機』のところに書かれている一文。
食品のカテゴリとしての「フレンチポテト」呼び。
’73日本食品工業展の出展
通商産業大臣官房報道室, 通商産業調査会 編『通産省公報』(7143),通商産業調査会,1973-09-07. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/9654938 (参照 2024-11-16)
https://dl.ndl.go.jp/pid/9654938/1/8
通産省公報の’73日本食品工業展開催の告知の出展企業に『ラス・スーパーフライ㈱』の名前の記述。
『食品工業 = The Food industry』16(21)(323),光琳,1973-10. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/3339839 (参照 2024-11-16)
https://dl.ndl.go.jp/pid/3339839/1/51
https://dl.ndl.go.jp/pid/3339839/1/52
食品業界誌「食品工業」での記事『'73日本食品工業展をみて--繁栄は競争原理を貫ぬくところに / 坂川昂祐』にも会社の名前が書かれています。
とにかくそういう展示会に出展していたと。
1974年
他
日本加工食品新聞 編『ハム・ソーセージ年鑑』1975年版,日本食品経済社,1974. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/11916382 (参照 2024-11-16)
https://dl.ndl.go.jp/pid/11916382/1/257
ラス・スーパーフライによるマッシュポテトの広告
1975年
「フレンチポテト」
日本加工食品新聞 編『ハム・ソーセージ年鑑』1976年版,日本食品経済社,1975. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/11917058 (参照 2024-11-16)
https://dl.ndl.go.jp/pid/11917058/1/158
『ハム・ソーセージ年鑑』1974年版と同じ記述。
「フライポテト」
食品業界誌「食品商業」での広告での一文。
『フライポテト販売セット』と称して、成型機と組み立て屋台のセットについて宣伝している。
屋台のサンプルの写真には『オランダ生れの… フライ ポテト』と書かれた看板と、『フライポテト』の文字が書かれている保温器が写っている。
また同号の『店頭実演販売用新鋭機器総ガイド』にも屋台のセットについて書かれている。
「スーパーフライ」
『製菓製パン : 全日本菓業新聞連盟加盟誌』41(11)(504),製菓実験社,1975-11. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/3321650 (参照 2024-11-16)
https://dl.ndl.go.jp/pid/3321650/1/4
パン業界誌「製菓製パン」においても広告が掲載されていて、これでも『フライポテト販売セット』や『オランダ生れのファッションスナックフライポテト』として書いている。
同広告にはこんな文もあり、定まった呼び名があるわけではないみたいな感じを受け取れます。
https://dl.ndl.go.jp/pid/3321650/1/140
また、同号の『新商品ガイド』のページにも『ラス・スーパーフライ社のフライポテト販売セット』として記述がされている。
他
『蒲鉾年鑑』昭和50年度版,日本食品経済社,[1975]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/11918087 (参照 2024-11-16)
https://dl.ndl.go.jp/pid/11918087/1/87
特殊澱粉としてラススーパーフライのクノーデルパウダーの名前が挙がっている記述
1978年
「フライポテト」
月刊食堂での広告の一文。
屋台や様々な成型機の写真が掲載された広告で、「スーパーフライ」とも書いてはあるものの、『即利益増大』の煽りが一番大きく書かれた後に『フライポテト併用販売の魅力』など書かれていたり、「オランダ生れのフライポテト」の煽りもまだあることから「フライポテト」呼びしてる感のあるもの。
月刊食堂での1978-12の号の広告の文。
「即、商売」の文字とポテトの写真を大々的に打ち出している広告。
また、この広告からポスターなどで見かけるあの鼻の頭にRASのシールを貼ってる子どもの写真が掲載されている。
1979年
「フライポテト」
月刊食堂1979-08からの広告。
『オランダ生まれのフライポテト』の文字もあり、スーパーフライの名前もあるけど基本的「フライポテト」扱いな感じに受け取れます。
1980年
月刊食堂1980-02の広告。
『オランダ生れの――フライポテトはラス・スーパーフライ 省エネ時代のチャンピオン!!』などとも書かれていて、すぐに商売できる事だけでなく「省エネ」についても推していた事が伺えます。
1981年
『〈徹底網羅〉食品メーカー、問屋、商社60社の食堂業への取組み姿勢』
その中のラス・スーパーフライ社についての項での文。
ポテトだけでなく、この頃から始めた貝類の販売について半分以上割かれて書かれている。
1982年
「フライドポテト」
雑誌月刊食堂の様々なニュースを載せている「SHORT NOTES」でラス・スーパーフライ社についての記事。
1983年
「製品情報」の中のハンドルを回して親指大の形にする成型機についての記事。
普通のサイズの「フライドポテト」と区別するためか、「スナックポテト」と呼んでいる。
『月刊食堂 : the food service management』23(2)(266),柴田書店,1983-02. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2674791 (参照 2024-11-17)
https://dl.ndl.go.jp/pid/2674791/1/4
『「ラス」の強力ポテト・トリオ』として、『スナックポテト成型機』、『フライドポテト成型機』、『マッシュポテト』の三つを推している広告。
1984年
「フライドポテト」
『ラス・スーパー フライドポテト」広告。
1987年
フランチャイズではない、と言っている「ニューボランタリーシステム」についての広告。
大きく描かれた鎖を引きちぎるイラストと「FCではありません!」の文字などが目立つが、下部にも一応『ラス・スーパー フライドポテト』についても書かれている。
1988年
「ラス・ポテト」
ラスポテトの写真をバックに、「ラス・ポテト」のメリットを並べて記述してある広告。
写真のポテトの袋には「オランダ生れのフライポテト」とは書かれたままだが、公式で「ラス・ポテト」と呼称した広告はこれが最初になるのでは、と。
それぐらい呼び名がバラついている、実際。
おそらく、普通の冷凍ポテトなどによるフライドポテトが増えだしたからそういう呼び名を使いだしたのかもしれません。よくよく調べてないのでわからんですが。
1989年
「フライポテト」
『月刊食堂 : the food service management』29(5)(341),柴田書店,1989-05. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2674866 (参照 2024-11-17)
https://dl.ndl.go.jp/pid/2674866/1/10
『全く新しい、ファースト・フード・システム』として、そういう「指導」についての広告。
あくまで『フランチャイズチェーンではありません』と書いてある以上はそういうものらしい。
「指導」についての事が大きく割かれているものの、小さく『確実に利益をあげる、ラス・スーパーフライのフライポテト』として記述は残っている広告。
1990年
『月刊食堂 : the food service management』30(7)(355),柴田書店,1990-07. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2674880 (参照 2024-11-17)
https://dl.ndl.go.jp/pid/2674880/1/26
『ラス・パーソナル・ショップ・システム』の広告。
メニューの一例にポテトの写真は載っているものの、ポテト自体を指しての記述は書かれていない。
本当にシステムだけの広告。
一部写真を変更しつつ、1993-11まで不定期にシステムの広告が掲載。
システムの広告以外に『ラス・クレープ』という商品についての広告なども掲載されたりしていた。
1992年
『月刊食堂 : the food service management』32(3)(375),柴田書店,1992-03. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2674900 (参照 2024-11-17)
https://dl.ndl.go.jp/pid/2674900/1/15
『ファースト・フード・ショップ・システム』の広告。
メニューの例の写真にポテトはあるが、これもポテト自体の説明はなし。
この広告と「ラス・パーソナル~」の方と変わったりしつつ1993-10まで広告掲載。
1994-11にも掲載あり。
1993年
「スーパー・ポテト」
『ラス・スーパー・ポテト』の広告。
「スーパー・ポテト」のメリットの記述や機械の写真などの掲載したポテトだけの広告。
ポテトの広告はこれまで。
コレ以降のラス・スーパーフライの広告は『ニューヨークサンド』という食品や、フォアグラの広告などが掲載したりしていた。
ラス・スーパーフライ社が出していた広告からわかること考えられること
こんなとこかなと。
近年の「ラスポテト」
2021年
「ピットストップSUZUKA」での販売
「ピットストップSUZUKA」は読売新聞2021年3月9日中部朝刊や、中日新聞2021年3月19日朝刊などにも記事が掲載されている。
2023年
おじゃまします:Cafe&food LDK 幼なじみ営む安らぎ空間 /大阪 毎日新聞 2023.06.01 地方版/大阪 22頁
cafe&food LDKについての記事。
そんな感じの店、らしい
おから活用グランプリ:おからで商品考案 荒川区「活用グランプリ」 22店舗、お急やオリジナル料理 31日まで投票 /東京 毎日新聞 2023.10.23 地方版/東京 20頁
第3回おから活用グランプリの記事。
ラスフリットも荒川区にあるお店。
そんなかんじの後の現状
かつてに比べると減ったといえば減ったんでしょうけど、個人向けの粉末や機器販売、上記のニュースなどにあるような食べられるお店の存在などもあり、今でも食べることは出来る存在ではあるはずです、ラスポテト。
というかうぃきぺの記事に「2020年現在」ではあるけど食えるとこの店の一覧もあるので、そこ見たりしてください、みたいなかんじ。
とにかくここもそういうかんじの記事。
これかいてるじてんではまだぜんぶおえてないきじ。