生成効果とその使い方
生成効果とは、答えを知る前に、考え流時間を入れてから答えを知ると、その正解が記憶に残りやすい。というものです。
なぜ悩んだ方が記憶に残りやすいのでしょうか?
心理学者のネイト・コーネルとジャネット・メトカーフは、ニューヨーク市の一部の小学校6年生を対象に、語彙を学ぶ際の生成効果について実験しています。
実験では、子どもたちを2つのグループに分けました。
1つは言葉とその意味を教えたグループ。
もう1つは、言葉だけ教えて、その意味を考えさせてから、本来の意味を教えたグループです。
この実験では、後者のグループの方が正答率が高い、という結果になりました。
別の国の学校で同様に実験しても、同じような結果になったそうです。
また、古代ギリシアの哲学者ソクラテスは、弟子たちに答えを教えず、自分たちで答えを考えて出させていたそうです。おそらくソクラテスは、自身の経験から生成効果を知っていたんじゃないかな、って思います。
この効果には、3つの特徴があります。
1 どれだけ間違っていても、生成効果は発揮される。
2 答えに自信があるほど、効果が高くなる。
3 答え合わせが必須。
特徴の2の、答えに自信があるほど、効果が高くなる。ですが、これは答えに自信があったけど全く違っていた、という場合でも効果があります。
これは間違えた、という経験と、正しい答えが結びついて覚えられるからです。
ただ覚えただけだと短期記憶になるため、すぐに忘れてしまいます。しかし経験と結びつくことで、エピソード記憶になり、忘れにくくなるんです。
そして特徴の3ですが、これは言うまでもないでしょう。
最後には必ず正解を学びましょう。
正解がわからないと、答えと結びつきませんからね。
というわけで今回は、答えを知る前に考える時間を入れよう。という生成効果の話でした。
では今回はこの辺で。