どんな人でも、努力が必須っていう話
どんな人でも、努力をしないとスキルは上達しません。
スキルを上達させて身につけるには、才能がなくたって問題ないよ!という話は以前にしました。
ではスキルを身につけたら、そのあとはより上手くこなせるように、スキルを上達させていく必要があります。
そこで、じゃあスキルの上達って、どこまで才能が関係するの?という疑問が湧いてきました。
世の中、いろんな方がスキルの上達をさせようと必死になっています。
トップクラスの人と、優秀という評価で止まってしまう人の間には、一体何があるのでしょうか。
ここで引き合いに出されるのは、またもや才能か、努力かです。
ですがここまで読んだあなたは、きっと本記事のタイトルを読んだことでしょう。
読んでないなら、ちょっと上に書いてあるので読んでみてください。
はい、というわけで結論です。
才能があってもなくても、トップクラスに上達するには努力が不可欠です。
それをわかりやすく表現した式が『やり抜く力』(アンジェラ・ダックワース著 ダイヤモンド社)に記載されていたので、引用します。
著者のダックワース氏によれば、目標を達成するまでの才能と努力の関係は、このようになっています。
1 才能×努力=スキル
2 スキル×努力=達成
この1の式によれば、ある程度のスキルを手にするのには、才能と努力をかけ算します。
スキルの獲得では、才能があるほど有利になるわけです。
では、2の式の場合はどうでしょうか。
何かを達成して結果を残すには、1の式で得たスキルと、それを高める努力が必要になる、ということを表しています。
つまり、スキルを身につけるまでは才能が関係するけど、スキルを磨いて結果を出すときに才能は関係しないよ!ということです。
これが事例としてわかる調査があります。
音楽専攻の大学生30人を調べた調査では、大学内で技術が高い生徒ほど、累計の練習時間が長い。と言うことがわかりました。
具体的な数字で言えば、音楽専攻の生徒は18歳までに平均3420時間練習していました。
ではトップクラスの技術を持つ生徒はと言うと、18歳までに平均7410時間も練習していたそうです。その差、倍以上です。
6歳から練習を始めたとして、1日の練習時間に換算すると、毎日2〜3時間以上練習していることになります。
また、ベルリン・フィルとラジオ・シンフォニー・オーケストラで活躍する中年のバイオリニストの18歳までの推計練習時間も、トップクラスの生徒とほぼ同じ時間、練習を重ねていたそうです。
これらの調査からわかることは、高い結果を出す天才の技術は、練習量が決めているといっても過言じゃないってことですね。
加えて、生まれつき才能があってもなくても、熱心に練習せずにトップクラスの技術を持つことはできない。ということがわかっています。
チェスのグランドマスター(最高位のチェスタイトル。現在世界に約1000人ほど)に最年少で到達したボビーフィッシャーでも、グランドマスターになるために9年かかっています。
チェスの天才であっても、9年もかかるんです。
ちなみに話は変わりますが、ボビーフィッシャーの人生について書かれた映画があるらしいです。彼はなかなかの変人だったらしいですが、どんな内容なのか、またいつか見てみたいですね。
さて、トップクラスにうまい人々は、みんなめちゃくちゃ練習していることがわかってもらえたかと思います。
そこで、「なるほど、練習時間を増やせばいいんだな!」と考えて、闇雲に練習を増やしても、あまり効率がいいとが言えません。
では、結果を出す技術を身につけるには、どんな練習をすればいいんでしょうか?
その方法を、次回話していきたいと思います。
では今回はこの辺で。
参考図書
『やり抜く力』アンジェラ・ダックワース著 ダイヤモンド社
『超一流になるのは才能か努力か』アンダース・エリクソン著 文藝春秋