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ローレンス・ブロック「殺し屋ケラーの帰郷」感想

前作「殺し屋 最後の仕事」二見文庫2011年で修了したかと思われましたが、続編が2014年10月にでました。ケラーの切手収集家としての側面が前面にでてきています。 杉江松恋氏のシリーズ全体の解説つき。

 ハリケーン・カトリーナにおそわれたルイジアナ州ニューオーリンズにて、殺し屋を引退したケラーは新しい名前になり、結婚し、子供もできてすっかり良き市民になっていた。新しい仕事のリフォーム事業も、好景気で順調だった。ところが、サブプライムローン問題によってバブルがはじけ、一気にひまな状態になってしまった。そんなところへ、身を潜めていたドットより突然電話があり、殺しの依頼が舞い込んだ……(『ケラー・イン・ダラス』)。ほかに、数年ぶりに訪れた懐かしいニューヨークを異邦人の眼で見ることにとまどう『ケラーの帰郷』などを収める連作短篇集です。

 オークション経験や切手展経験のある切手収集家ならよけい楽しむことができます。宙返りジェニーの現物が日本の切手展にきたときに見たことがあるひともおおいことでしょう。
(ケラーのこどもの名前がジェニーなのはなぜでしょうね)。

 毒をあつかう場面で、なんだか少女探偵フレーヴィア・シリーズをおもいおこさせるような描写もありました。ブロック先生は審査員あるいは関係者としてこのシリーズは読んでいるとは思うのですが。

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