随意運動と姿勢制御、脳卒中でどちらが障害されやすい?
relief 作業療法士 平松です。
今回の記事では…
脳卒中による損傷でどちらが障害を受けやすいのか?
お伝えしていきたいと思います。
1.皮質脊髄路(外側皮質脊髄路)について
皮質脊髄路(外側皮質脊髄路)は随意運動、意識的な運動を制御し、手指や下肢などの遠位筋の出力に大きく関与しています。
2.皮質網様体脊髄路について
皮質網様体脊髄路は無意識的な運動制御に関与し、四肢近位筋や体幹の姿勢筋緊張の調整に大きく関与しています。
そのため、歩行や姿勢制御に密接に関わり、先行的かつ随伴的に姿勢を保ってくれています。
3.脳卒中では皮質脊髄路、皮質網様体脊髄路どちらが損傷しやすいの?
では、今回の本題に入っていきます。
脳卒中では…
どちらが損傷を受けやすいのか?
こちらの論文を基にお伝えしていきます。
と報告されています。
脳卒中片麻痺患者においては…
皮質網様体脊髄路の損傷が多い傾向であり、姿勢制御や歩行に問題を生じる場合が多い
と考えられます。
脳卒中後後遺症=随意運動
とイメージされる方が多いかと思いますが、実は姿勢制御や歩行などの無意識的な運動に問題を生じていることが多いということになります。
つまり、私たち療法士が意識的な運動に着目していては、脳卒中患者さんの回復に十分に貢献できない可能性がある。
ということになります。