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【前庭系・前庭脊髄路を学ぶ】
こんにちは。こんばんわ。
今回は東海BiNI研究会初めての有料noteをお届けさせて頂きます。
過去の記事においても前庭脊髄路に触れた記事がありますが、
今回はさらに深く、前庭系・前庭脊髄路のことを学んでいけたらと思います。
【このnoteの内容について】
●前庭系とは
●前庭神経核とは
●前庭脊髄路とは
●前庭系に関わる反射
●臨床応用
●個人的に感じている臨床上の効果
●前庭系・前庭脊髄路に関わる論文紹介
以上の内容で構成されています。そのため…
【このnoteで学べること】
●バランスはどのようなメカニズムで調整されているのか?
●私たちはどのように姿勢を保持しているのか?
●眼とバランスの関係性はあるの?
●脳卒中後の下肢の出力・支持性を向上するには?
●脳卒中後の歩行能力向上に難渋している
●そもそも前庭脊髄路ってなに?前庭系とは?
など疑問・悩みを抱えている方に読んで頂けたら、少しお役に立てるかもしれません。
ご興味のある方は最後まで読んで頂けたら幸いです♪
なぜ前庭脊髄路が重要なのか?
私たちは普段の生活の中で、座ったり、立ち上がったり、歩いたり、物を取ったりするときに…姿勢を保持しようと自分自身の関節・筋肉・姿勢などに「意識」をしたことがありますか?
必要な場面においては、「綺麗な姿勢をとろう」「いい姿勢で話そう」など意識をして姿勢をとる場合もあります。
しかし、普段の生活の中で多くは自分の関節・筋肉・姿勢などに「意識」はしておらず、料理をしたり、友人と会話をしたり、ショッピングを楽しんだり、「無意識に」姿勢が保たれていたり、歩いたりしていると思います。
が、臨床の場面になると「背中を伸ばして」「膝を伸ばして」「いい姿勢になって」など意識して頂くように声掛けをしてしまいませんか?
普段は何気なく姿勢を保ったり、歩いているのにも関わらず。
普段の生活では様々なことを頭で考えるために、姿勢や歩行を行うために多くは、無意識的に行えるような身体の仕組みになっています。
そこで、重要となってくるのが「前庭系・前庭脊髄路」になります。
今回、前庭系・前庭脊髄路について知って頂くと、無意識的に姿勢保持や歩行が成立している仕組みが理解できると思います。
では本題に入っていきます♪
1.前庭系とは?
前庭系とは、前庭神経核を中心とした「前庭神経核への入力線維」と「前庭神経核からの出力線維」の総称のことをいいます。
【前庭神経核への入力線維】
●眼球(視覚情報)
●迷路(耳石器)
●固有感覚(深部感覚)
●(小脳)
【前庭神経核からの出力線維】
✔脊髄:α運動ニューロンへ下行
✔視床・大脳皮質
✔視床下部
前庭系は上記の部位と連絡線維があり構成されています。
【前庭系の役割 】
✔身体のバランスを保つ
✔抗重力筋群への興奮作用
✔眼と首の協調的な運動を担保
✔循環器系・自律神経系の調整など
以上のような役割を担っている可能性があると示唆されています。
図にまとめると…
こんな感じです。
つまり、姿勢を保持したり、歩行が遂行されている背景には…
【眼球:視覚情報】
✔対象物と身体の位置関係
✔目を開いているか、閉じているか
✔眼球の運動性が十分に得られるか
【迷路:耳石器】
✔(三)半規管と耳石器(球形嚢・卵形嚢)で構成
✔半規管は回転加速度*に反応
✔耳石器は直線加速度*に反応
✔頭頚部や身体の傾きや姿勢変化
✔頭頚部や身体の揺れ
*加速度=速度の変化
ex:時速100kmで走り続けている状態=速度の変化は0
時速100kmから時速120㎞に速度を上げた状態=速度の変化は20
時速100㎞から時速80kmに速度を下げた状態=速度の変化は20
【固有感覚:深部感覚】
✔関節や筋・骨膜・腱・靭帯に対する接触刺激や運動感覚
✔荷重感覚の有無
などからの情報が重要になるといえます。なので、バランスを良好な方向へ導いていくうえで、「視覚」「迷路」「固有感覚」のことを考慮しながら介入していくことは重要になってくるということになります。
また、前庭系は小脳、視床下部、大脳皮質との連絡線維があります。
先ほどお伝えした、【前庭系の役割】を少し細かくすると、
【小脳と前庭系の連絡線維の役割】
✔身体の平衡
✔眼球運動など
【視床下部と前庭系の連絡線維の役割】
✔自律神経機能制御など
(自律神経の調節・体温維持・水分バランスの調節・食物摂取など)
【大脳皮質と前庭系の連絡線維の役割】
✔空間感覚
✔身体図式の形成など
(現在動物実験などでは、主に大脳皮質の頭頂葉に入力すると報告されている:最後の章の論文紹介で要約しています)
という関係性になると考えられます。
まず、この章では前庭系の構成・役割などがイメージしやすくなって頂けたら幸いです。
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