見出し画像

知見0からのユーザーガイド作成

新規事業をローンチしようとしているあなたへ。初めてのユーザーガイド作成、困りませんか?

私もかつてそんな場面に立たされたことがあります。社内の法務担当者や弁護士さんとの連携は必要ですが、その前にチームで最初の叩き台を作ることが重要。とはいえ、手探りで進めるのはなかなか大変…。

そんなあなたのために、無駄な回り道を避け、効率的にユーザーガイドを作成する方法をお伝えします。


ユーザーガイドやマニュアルはどうして必要なのか

みなさんは新しい製品を手にとったとき、真っ先に取扱説明書を参照するタイプですか?特に複雑な製品ほど、そのガイドの価値は増してきますよね。

そんな取扱説明書をスムーズに作るための秘訣、それは"目次の構造化"です。

ユーザーガイドやマニュアルとは

ユーザーガイド、マニュアル、聞きなれたこの言葉。でも、具体的には何を指すのでしょうか?

実は、これは製品やサービスの全体的な流れやノウハウを網羅した大事な資料。手順書とはまた少し違います。

範囲がサービスや製品の基本ノウハウからQ&Aなど全体に及ぶユーザーガイド・マニュアルに対して、手順書の範囲は進め方に限定されます。包括的にサービスや製品をサポートし、十分にそのサービスや製品の性能を活かしてもらうのには必須のもの。

どちらも大切で、サービスや製品の可能性を最大限引き出すための道しるべとして、私たちには欠かせません。

まずは目次から作ろう

ユーザーガイドやマニュアルを作ろう!と思い立ったはいいもののどこから始めればいいかわからない…。という経験、ありませんか?私自身もはじめはどこから手をつけてよいかわかりませんでした。

しかし、さまざまな事業の立ち上げに携わらせていただいた中で、目次からの編成を行うことが効率的なマニュアル作成の方法だと気づくことになりました。

目次はユーザーが困ったときにまず見るページ。いわばユーザーガイドの心臓部です。

この部分がしっかりしていれば、あとはそれに沿って内容を詰めていくだけ。目次作成は詳細な説明を作成していく上での大まかな指針にもなってくるので、私の経験上、この方法が一番効率的でした。

基盤となる目次の作り方手順


「目次を先に!」と言っても、具体的にはどうすればいいのでしょうか?私が実際にユーザーガイド作成において試行錯誤してきた中での、効率的な方法をお伝えします。

私のオススメは、

  1. ブレインストーミング

  2. KJ法を使いメモをカテゴライズ化

  3. アウトプット

の3段階で行っていきます。

1.ブレインストーミング

目次を作る第一歩、それは、関係者を集めてのブレインストーミング。

アイデアを出し合うこの手法は、新しい視点や発想を生み出すのに最適です。事業や開発に関わるメンバーと一緒に、たくさんの項目として立てたいものをふせんに書き出してみましょう。


2.KJ法を使いメモをカテゴライズ化

ブレストである程度項目の候補を出し切ったら、KJ法を利用してそれらのアイディアを整理する作業です。

KJ法とは、個別の情報が記されたふせんやカードを使い、それを並べたりグルーピングしたりすることで情報を整理していく手法。

この方法を使うことで、全員が出してきたアイディアを項目の候補として分類、カテゴライズしていくことで段々と目次としての形にまとまっていきます。


3.アウトプット

目次がざっくりと完成してきたら、できるだけターゲットとなるペルソナに近い人へ説明を試みてみてください。

このアウトプットの過程で、目次に関連するさまざまな情報や要点が明確になってきます。そして、それをフィードバックとして目次の改善に役立てます。

このプロセスを何度も繰り返すことで、説明が洗練されていき、完成度の高い目次ができていくのです。

ただ、このフィードバックを一人のペルソナや担当者だけで行わないことが大事。様々な角度からの意見を取り入れることで、全体の質が格段に上がります。

マニュアルを作成する上でのポイント

私がこれまで多数のマニュアル作成に関与してきた経験の中から重要だと気がついた、顧客体験を最大化するための鍵は「顧客の視点を理解すること」です。

新しいユーザーが製品やサービスを使う時、どのように感じるのか、どのような知識を持っているのか。この視点からマニュアルを作成することはとても難しいですが、その価値は計り知れません。

ここで、私が特に大切だと考えるポイントをいくつかシェアします。

知見ゼロの人に読んでもらおう


マニュアル作成の際、製品やサービスを全く知らない人の意見は非常に貴重です。

私が以前関わった製品のマニュアル作成では、製品の取扱いが初めての人たちにもわかりやすくするためのフィードバックがとても役立ちました。

製品操作の知識を持たない人がマニュアルを読んで、どこでつまずくのか、どの部分が難解なのかを把握することで、より使いやすいマニュアルを作り上げることができます。

このつまずいたポイントを改善し、また検証するというサイクルは顧客体験を高める上で非常に重要なステップとなります。

文章は短く

目次もそうですが、マニュアルに記載する文章はできるだけ短く簡潔に構成するようにしましょう。

文章が長いと、違った意図が出てきてしまったり、複数の意図が読み取れるようになってしまったりして、マニュアルとしての完成度が下がることが多々あります。

文章はできるだけ簡潔で簡単に。これを心がけましょう。

文章で伝わりにくいものは画像を使おう


私が感じるに、マニュアルは文章だけでなく、適切な画像も非常に効果的です。

特に、複雑な操作や流れを説明する際、画像があると理解が格段に深まります。例えば、製品の操作手順など、文章だけでは伝わりにくい情報はイラストや写真で視覚的に伝えると、ユーザーにとってもわかりやすくなります。

あくまでわかりやすく伝えることが目的。文章にこだわりすぎないように気をつけましょう。

まとめ

私がこれまで関わってきた多くのプロジェクトや新規事業で痛感するのは、ユーザーガイドやマニュアル作成は多くの人の協力と意見が不可欠だということ。

管理面での挑戦はあるものの、多くの人の視点や知識を取り入れることで、本当に価値のあるマニュアルが生まれます。全員の協力のもと、網羅的でわかりやすいマニュアルを作ることで、最終的な顧客体験は大幅に向上することでしょう。


東海エイチアール関連記事

公式サイトはこちら

このブログは、2023年10月27日に東海エイチアール株式会社公式HPにて掲載したコンテンツと同様のものになります。