国家試験受験ログ・黒ボールペンの話
プロローグ
2022年初頭、10月に行われるとある国家試験(論文式筆記試験)受験を決め、試験勉強・論文式筆記試験に適したボールペン探しが始まった。
この国家試験は、わたしが9年前に合格した国家試験の合格者(正確には合格後の登録者であって研修修了者)にのみ受験資格があるのだが、
9年前に合格した国家試験にも論文式筆記試験があったため、その頃からボールペンにはうるさい。
(補足:論文式筆記試験の筆記具は黒か青のボールペンか万年筆と決められている。訂正は二重線。鉛筆等の消せる筆記具は不可。)
当時は三菱のジェットストリームが油性ボールペン市場を席巻し始めていて、わたしも9年前の試験ではジェットストリーム0.7mmにお世話になった。
試験合格後もなんだかんだ取っ替え引っ替えいろいろなボールペンを試していて、ここ数年、不動の1位はアクロボール0.5mm。
アクロボール、アクロインキの滑らかな書き心地と濃さがお気に入りだが、何より、わたしの字との相性がとても良い。
字がキレイに見える。
アクロボール0.7mmもいいのだが、アクロボールは0.5mmでこそその良さを発揮していると思う。
0.5mmの絶妙な太さと滑らかさと濃さ、アクロボール0.5mm大好き。
と、アクロボール愛を語るのはここまでにして、
論文式筆記試験となると話は少し変わる。
「午前3時間、午後3時間の論文式筆記試験」では大量の速記が求められるのである。
字のキレイさは二の次。
わたしはそもそも筆記速度が遅い(高校時代数学教師に汚くてもいいから早く書くよう言われたことさえある・・・)。
長時間、手に負担をかけず、そこそこの字を早く書けるボールペン。
9年前同様ジェットストリーム0.7mmでもいいのだが・・・あれから9年。
ボールペン市場は日々進化している。
試験勉強、本番に向けて、いろいろなボールペンを試す日々が始まった。
ボールペン福袋
2022年2月、楽天のお買い物マラソン期間にボールペン福袋なるものを購入。
実際に入っていたのは以下の7点。
写真左から
パイロット オプト 0.7mm(油性)
パイロット フリクションボール 0.7mm(フリクションインキ)
ゼブラ サラサドライ 0.5mm(水性)
三菱 ジェットストリーム 0.7mm(油性)
ゼブラ ブレン0.5mm(エマルジョンインク)
ゼブラ サラサマークオン 0.4mm(ゼブラ)
三菱 ユニボールワン 0.38mm(ゲルインク)
公称の太さと実際の太さはあまりアテにならないもので、こんな感じ。
これ以外もいろいろ試して、最終的に空っぽになったボールペンたちがこちら。
一部、黒以外のカラー(消せるボールペン、条文アンダーライン用)もあるが、基本は黒ボールペン。
試験勉強用、本番の長期筆記用、いろいろ試す中で気付きも多かったので以下にまとめる。
試験勉強に最適なボールペン
当初は試験本番で使うボールペン≒試験勉強で使うボールペンと思っていたが、いろいろ試すうちにそうでもないと思うようになった。
試験本番では上述のとおり長時間、手に負担をかけず、そこそこの字を早く書けるボールペンが求められるが、試験勉強で使うボールペンの役割はやや異なる。
わたしの考える、試験勉強で使うボールペンの役割は、
①書いたものをあとで見る機会が多いので、字がキレイに見えるほうがよい
②試験勉強なので記憶に残るほうがよい
③ノートに書くので裏写りしないほうがよい
の3つである。
字がキレイに見えるボールペン(主観)
字がキレイに見えるというのは主観が入るが、わたしの字との相性でいえば圧倒的にアクロボール0.5mm(又はアクロボール0.7mm)である。
わたしの字は太さのあるボールペンのほうがキレイに見える(9年前にジェットストリーム0.5mmではなく0.7mmを愛用していたのは太さがあるほうがキレイに見えることによる)のだが、
アクロボールは0.7mmより0.5mmのほうがキレイに見える希有なボールペンなのである。
0.7mmは太めでA罫のノートには向くが
B罫愛用のわたしには0.5mmがよく、アクロボール0.5mmが最高なのである。
ただし、(少なくともわたしは)書いているうちにそのボールペンに自分の字を合わせてキレイに見せることができるので字がキレイに見えるという点だけで差がつくことはないと思った。
記憶に残るボールペン
記憶に残りやすいという視点は9年前には考えたことがなかったが、これを考えるきっかけとなったのは福袋に入っていたユニボールワンである。
論文式筆記試験の答案には暗記した「規範」を書く必要があり、規範を覚えて書けるようになることが必須だった。
よって、濃い黒インクで書くのが規範を覚えるのに効果的ではないかと考えて、夏以降、黒が濃いインクのボールペンでノートに規範などを書いて覚えるようにした。
これはおそらく効果があった。
視覚優位のわたしにバッチリはまった勉強法だったと思う。
いろいろ試したが、黒が濃いインクのボールペンとなると油性よりゲルインクや水性が有利である。
濃さを考えるきっかけになったユニボールワン以外に、エナージェル、サラサドライが濃かった。
エナージェルは豊富なラインナップがあり、試験勉強以前から好きなボールペンだが、試験勉強用には安価なエナージェルエス(110円)で足りた。
ただし、エナージェルエスは0.3mm 、0.5mm、0.7mm、1.0mmというラインナップのため、細い0.3mmが苦手なわたしには通常のエナージェル(220円~)の0.4mmがよかった。
サラサドライは福袋に0.5mmが入っていたのだが、0.5mmなのに他の0.7mmより圧倒的に太い(上の写真参照)。
超速乾をウリにしているため、浸み込みやすいのかもしれない。
福袋の0.5mmを使い切ったあと0.4mmも試してみたが、0.4mmのほうが使い勝手がよかった。
エナージェルとサラサドライはわたしの中で拮抗していて甲乙付け難いが
サラサドライは全長短めで書いてるとクリップ部下端が手に当たりやすい。
手が当たる…と一度気になると頻繁に気になるようになってしまい、わたしの中ではエナージェルに軍配。
裏写りしないボールペン
黒の濃さを求めて、ユニボールワン、エナージェル、サラサドライのローテーションで勉強を進める中で、ひとつ、問題があった。
エナージェル0.5mmもサラサドライ0.5mmもノート(Campus)に裏写りするのである。
気にしなければよいのかもしれないが、手を動かして覚えるのと並んで、書いたノートを見直して暗記するので、裏写りには敏感だった。
どちらも0.4mmに変えたら多少気にならなくなったが、この点、ユニボールワンは0.5mmでも裏写り知らず!
というわけで最終的に低重心タイプのユニボールワンFでひたすら書いて覚えた。
低重心タイプは長時間筆記向きで助かった。
最後のほうは替芯を5日で使い切るペースで書いて書いて書き倒した。
ありがとうユニボールワンF。
試験本番用のボールペン
試験勉強で使い慣れたボールペンを試験本番でも使うことを考えたが、試験本番は上述のとおり「午前3時間、午後3時間の論文式筆記試験」。
大量の速記が求められる。
やはり必要なのは長時間、手に負担をかけず、そこそこの字を早く書けるボールペン。
わたしの字はそこそこでも一般的にキレイな部類に入るし、手に負担をかけないことを優先した。
というわけで、試験本番は
オプト(0.7mm)、ユニボールワンF(0.5mm)、アクロボール(0.5mm)
で望んだ。主に使用したのはオプト0.7mm。
オプト、試験勉強ではあまり使わなかったが、なめらか油性ではないわりとスタンダードな油性で筆圧をゴリゴリに感じながらもペン自体に重さや太さがあるのでそこそこの字を早く書きやすく、3時間×2の耐久レースに合っていてよかった。
ユニボールワンFは試験勉強での実績からの予備。
アクロボールは・・・大好きだからお守りとして持っていった(笑)ここまでまったく登場しなかったのに。
アクロボールがあればがんばれる。大好きアクロボール。
エピローグ
2022年10月に受験し、待つこと2ヶ月強。
2022年12月、合否発表があり、無事合格していた。
国家資格を持つ者のみが受験する特異な試験、令和4年度の合格率は59.1%。
昨年度より上がったとはいえそれでも6割を切る合格率だったので、しっかり勉強して一発合格できてよかった。
1年弱、よくがんばった。お疲れ様でした!