地球の自転は遅くなっているのか早くなっているのか

急に月について話します。


月の裏側は見えない

月は自転と公転を行っている。
月が1か月欠けて公転する間に一回自転するから、月は地球にずっと同じ面を向けてる陰キャ星人なんだよ。

月の呼び方

月は1か月にかけて1回公転しているから、明日の同じ時間に月がいる場所は変わってくるよ。30日分の1で、1日12度ほど動いていることになるね。その結果、月の出は毎日50分遅れることになる。

昔、満月の日の次の日に「また今日もきれいな月を見よ~」って言って同じ時間に同じ場所で待っていた人がいてね。でも実際、月は少し公転しているから50分遅れて出てくるわけ。待ちくたびれた昔の人は満月の次の日の月を立待月(たちまちづき)と名付けたよ。立って待っていたんだね。
そしてその翌日、また更に50分遅れて出てくる月を待った昔の人はその月を「居待月(いまちづき)」と名付けた。待ちくたびれて座って待っていたんだね。次の日は満月から150分遅れた月の出となる。この前の満月の月の出の時間に待っていた昔の人は眠たくなっちゃったみたいで寝ながら待っていたみたい。その月を「寝待月(ねまちづき)」というよ。

月の誕生

月がどのようにできたか、想像したことある?
太陽系が生まれるときに地球と一緒に誕生したのかな?それとも地球と別の場所で生まれた月が、ある時偶然地球と出会って重力で惹かれあったのかな??

実際に今一番信じられている仮説のことを「ジャイアント・インパクト説」っていうよ。
45億年前に火星ほどの大きさの天体が、生まれて間もない地球に衝突した。その時の破片が土星の環みたいに地球の周りに散らばった。これが1か月かけて集まったものが月であるって仮説。これがジャイアント・インパクト説だよ。

月が地球にもたらした恩恵

月は地球に2つの恩恵をもたらしたよ。

一つ目は地球の自転軸の傾きを緩やかにしたことで気候が安定したということ。
二つ目は地球の自転を遅くしたことで1日が24時間になったということ。
地球が生まれたてで月がいなかった時の1日の時間は何時間だったと思う?
答えは6時間。とっても短いね!私なら寝てるうちに2日たっちゃう!

遅くなる自転速度

月が誕生して自転速度が遅くなった地球。
実は月が誕生してからもものすごく少しづつ自転速度が遅くなってるんだ。
潮汐摩擦という言葉を知ってる?
これは潮流と海底が起こす摩擦のこと。このせいで地球の自転速度は少しずつ遅くなってる。
19世紀に約100年間の地球の自転による1日の長さを平均24時間に等しくなるように定めたんだって(原子時計)。でも、1990年頃には地球は24時間より約2ミリ秒長くかかって一自転していることがわかったよ。一回転にかかる時間が100年間で2ミリ秒長くなっていることになる。だから、この割合ずっと続くと5万年で1秒、1億8千万年で1時間長くなることのなるよ。この若干のびた時間を調節しているのがうるう秒だね。

事件発生 自転速度が速くなった?

ここで事件。さっき、1990年ごろの一自転にかかる時間は24時間と2ミリ秒って話をしたよね。2003年にもう一回自転の速度を観測してみたんだ。するとなんと24時間と約1ミリ秒だったんだ。なんと、1990年より自転速度が速くなってる!!!!
さっきの説明では潮汐摩擦により地球の自転速度は段々遅くなってるって話だったよね。そうして早くなったんだろう・

また事件。地球の自転が観測史上最速に

また事件。2022年、もっと自転速度が速まって地球の自転速度が過去最速になったよ。自転にかかった時間は、なんと24時間より1.59ミリ秒みじかかったらしい。月が引き起こす潮汐摩擦は地球の自転速度を遅らせるって話だったけど、どうやら過去数年間、地球の自転速度はスピードアップしているようだ。

前代未聞のマイナスうるう秒が登場する日も近い

現行の世界協定時において自転時間との差を調節するために追加される秒のことをうるう秒という。1972年から2022年までに実施された27回のうるう秒はいずれも1秒を追加する調整だったよ。でも前述のとおり自転速度は近年加速しているため、今後は初めて1日を1秒短くする必要が出てくるんだ。

自転速度が速まった理由

自転速度が速まる確かな原因はわかっていないが、それにまつわる論文はたくさん掲載されている。
例えば次のような仮説がある。
・氷河が解けることによる極地の質量の減少
・地球内部のコアの動き
・地震活動
・地球の自転軸の微小な振動
などだ。まだまだ分からないことだらけの地球。これからの研究結果が待ち遠しいね。

最近の研究

2024年3月27日観光の科学誌ネイチャーに掲載された研究論文によれば、マイナスうるう秒がいつ起きるのかは地球温暖化によって左右される。極地の氷が融解することで、マイナスうるう秒による調整が必要になる年は2026年から29年先延ばしになると研究は伝えている。極地の氷が海洋に溶けだすと、その分の水が極地から赤道に向けて移動する。この現象によって地球の自転速度は一段と遅くなるという。しかし、地球の自転速度には内部のコアの動きも影響している。コアの運動は地球の自転を加速させる働きがあり、研究によっては上記の極地の氷の融解があってもなお全体的には地球の自転速度は上がっている。そのため近い将来、世界は初めて1秒を減らすことによって1日の時間を調節することが必要となるよ。

マイナスうるう秒がもたらす影響

自転速度が速くなり、マイナスうるう秒がもたらす影響について説明するよ。多くのコンピューターシステムには1秒を追加する機能が備わっているが、1秒を削減する機能があるシステムはほとんど存在しない。人間の手作業でコンピューターのプログラムを入力しなおさなくてはならないのだ。もちろんエラーが起きる可能性もある。うるう秒を減らさなくてはいけないほど自転が加速するとはだれも予測していなかったのだ。


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