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チャンスが来てもそれに気づける人はとても少ないのだという話
うちの管理人(秘書)は客観的に見るとだいぶポンコツ側にいると思います。
ADHDの特徴をとても強く持っているので、物忘れの回数が尋常ではないですし、思いつき行動で失敗ばかりしています。
極めて高度な一人ピタゴラスイッチを発動して、普通では考えられないようなドジを連発するタイプです。
行政系の手続に行ったのに必要書類をすべて事務所に置き忘れていくなんて日常茶飯事ですし、何度床に飲み物や食べ物をぶち撒けられたかわかりません。
いつも一人で「自分が嫌になるぜチクショー!」と半べそをかいています。
この子のドジエピソードは漫画にできるのではないかと思うくらい数が多いです。
でも、総合的に見るとこの子はとても優秀な子です。
なぜなら、要所要所でチャンスに気づくセンスと直感力を持っているからです。
今が本気でやるべきときだなというのが直感的にわかるようで、私が「今回気づけなかったらこの子の成長はここまでだな」と思っているときにちゃんと気づいて本気を出します。
いつもかなり危うい橋を渡っていますが、首の皮一枚で繋がって生き残ります。
これはなかなかできることではありません。
そういうチャンスを掴み続けているからこそ、専門卒という学歴であるにも関わらず平均よりも高い年収を得ているのだと思います。
なかなか凄いやつです。
私は今まで、多くの若者に勉強を教えたり、助言をしてきましたが、チャンスをチャンスだと気づける人というのは極めて少数だと感じています。
今ここが変化すべき絶好のタイミングだという場面でも、気づけない人の方が圧倒的に多いです。
他人の人生に強く口出しすることはできないので、基本的に周りの人間はストレートには教えてくれません。
私もやんわり伝えるくらいしかできません。
そこで気づける人こそが優秀な人なのだろうと思います。
ただ、気づけないのもある意味仕方のないことで、人間は基本的に主観的な視点でしか物事を見られないので、客観的に自分の状況を把握するということが苦手な動物です。
周りの人間が「そのまま行くと危ないよ」とか「こっちの道の方が良いのではないか」とやんわり忠告してくれても、それをチャンスだと認識できません。
たしかに、助言を無視したほうが正解だったということもよくあるのですが、本当に大事な助言ですらも簡単に見落とすことが多いので、そういう人たちは結果的に成功できずに終わります。
私は失敗には良い失敗と悪い失敗があると思っていますが、周りの人が気づくチャンスを与えてくれているのにそれをあえて無視した上での失敗は悪い失敗に属すると思っています。
気づく契機があったのに自ら放棄したということですから、救いようがないのです。
一生懸命考えて、様々な人の意見を聞いて、自分で分析して出した結論で失敗したというのは良い失敗です。
後々失敗の原因分析をした上で次に活かせば良いだけですから、むしろ成功の途中だということもできます。
しかし、周りの人たちが忠告してくれていて、ほぼ答えを提示してくれているのに、それをよく検討もせずに無視して突き進むのは愚か者です。
残念がらこれをやってしまう人の方が多いですし、見てきた事例でいうと8~9割はこっち側です。
そういう意思決定をしてしまう原因は様々ですが、根底にあるのは視野の狭さと過信だろうと思います。
自分の視野が狭いということに気づけておらず、自分のことを一番わかっているのは自分だと過信しているのです。
チャンスをチャンスだと気づくためには、日頃から広い視野を保つ努力をしないといけません。
様々な意見を受け入れて、客観的に分析する習慣がないとチャンスを見抜けなくなります。
例えば、目の前にAとBという選択肢があったとします。
普通はこの選択肢のどちらを選ぶかという点に注目しますし、多くの選択ではそれで十分だと思います。
しかし、人生の重要な選択肢を選ぶ際にはそれだけでは足りません。
Aを選んだ場合は、その先に必ずCまたはDの選択肢があり、Bを選んだ場合にもEとFの選択肢が続くことがほとんどなので、選択の先を見据えた選択をしないといけないのです。
これを若い内から完璧に行うのは非常に難しいことです。
また、勉強がまだ進んでいない人の場合は知識的にも経験的にも全く先が見えない視野の狭い時期なので、大抵選び間違います。
そういうときこそ先人たちの目を借りるべきだと思います。
こういう考え方ができる人は極僅かで、日頃はちゃんと気づけているのにいざ選択肢を選ぶときになると先人たちの声を無視したりします。
以前、とある大成功した経営者が言っていた言葉があります。
成功する人間は最初から決まっている
この言葉は、成功する人間は運命的に決まっていて、どう足掻いても無駄だという意味ですが、本当にそうかもなと思う瞬間がよくあります。
日頃優秀な人でも「なんでこのチャンスがわからないのだろう」と思う瞬間が多々あるので、もしかしたら最初からすべて決まっているのかもしれません。
また先日、別の経営者と管理職の任命について対話していたときに、その経営者が言っていた言葉あります。
俺は3回までは指摘するけど、それでわからない人は諦める
その会社では、とある部署の管理職としてAさんとBさんのどちらを任命するかで迷っているという状況でした。
Aさんは入ってまだ1年足らずですが、明らかに実力があって、すでに中心的な役割を担いつつある人でした。
一方でBさんはその会社に5年以上在籍している人で、会社内のことを熟知しています。
経営者は結局Aさんを任命しました。
その理由を話すときに出た言葉が上記の言葉です。
経営者は過去にBさん(長く在籍している方)に対して、特定の分野の勉強をしておくようにという話を3回以上したそうです。
出来れば資格を取っておいてほしいという話も少なくとも2回はしたそうですが、結局5年間勉強もせず、資格も取らずでした。
それが最終的にチャンスを逃す結果になりました。
年収でいうと約200万円の差が生まれる出来事だったので、かなり重要なチャンスだったと思います。
経営者から与えられたチャンスを何度も放棄した結果です。
おそらく本人はチャンスとすら認識していないと思います。
過去に3回も言ってあげたのはとても優しい経営者だなと思います。
私なら2回連続無視された時点でその人の将来について一切口出しをしないようにしますし、別の人を管理職に任命することを想定して採用を進めます。
ビジネスの世界で何度も何度もチャンスを与えてもらえることの方が稀なので、普通は一回勝負です。
その一回のチャンスを逃した時点で、別の優秀の誰かにチャンスを奪われることになります。
このような事態を未然に防いで、チャンスを獲得していきたいと思うのであれば、日頃から周りの先人たちの言葉の中にチャンスが隠されているのではないかと注意して聞く習慣をつけると良いと思います。
特に自分の将来を考えて発言してくれるような先輩たちの言葉は貴重です。
そういう人たちの発言や助言には、何かしらの理由や根拠があるので、少なくともそこを聞かないことには判断できないと思うのです。
なぜ今その提案をしてきたのか、なぜ自分に言ってくれたのか、そこを聞く習慣をつけておくと良いです。
実はこの習慣は、うちの管理人から学びました。
あの子は、私が何かを提案したときにすぐに断るということを絶対にしません。
今まで、提案を否定されたり、拒絶されたことがは一度もないと記憶しています。
代わりに以下のような質問をされます。
それを頑張ったらどんなメリットがありますか?
今やっていることよりも優先度高いですか?
今やっていることとどっちを優先したらいいですか?
いつまでにやればいいですか?
自分で調べて検討してもいいですか?
改めて考えると、やはり賢い子だなと思います。
その後きちんと自分で調べて、最終的には私と同じ結論にたどり着きます。
結果として金銭的な意味で大きなメリットを得ています。
このような習慣は成功している若い人に多い習慣だと思います。
私の知人に30歳で年収1000万円を超えているエリートサラリーマンがいるのですが、彼も断らない男です。
というか、否定的な言葉を使っている瞬間をほとんど見たことがないです。
常に周りの先輩たちや経営者たちに可愛がられていて、毎日のように助言をもらっています。
それを深堀りする質問を相手にして、重要なコアとなる情報を聞き出して、自分の糧にしています。
実に見事なコミュニケーションです。
彼はよく、自分にとっての最大の損失は何も助言をしてもらえなくなることだと明言しているので、先輩たちからの助言を有り難く頂戴して、自分のものにするという習慣がしっかり身についています。
少し長くなったのでこの辺にしておきます。
いずれにしても、チャンスをチャンスだと気づける人は、とても少ないのだということです。