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香港iPhone 16シリーズ発売日の裏側で起きる異常な光景(無料記事)

今回は、香港における最新のiPhone 16シリーズ発売日の独特な風景と、そこから見える社会現象について深掘りしてみたいと思います。

iPhone 16シリーズ:香港版の人気の秘密

いよいよ2024年9月20日、iPhone 16シリーズの販売がスタートしました。香港版iPhoneは、日本を始め多くの国で高い人気を誇っています。その理由は主に以下の点にあります:

  1. デュアル物理SIMに対応

  2. シャッター音を消音可能

  3. 他国と比較して比較的安価(消費税がない)

特に1と2の機能は、プライバシーや利便性を重視するユーザーにとって大きな魅力となっています。

発売日の異常な熱気

香港人の商才の鋭さは有名ですが、iPhone発売日にはそれが顕著に表れます。オンラインストアでの予約開始日、多くの人々がスマホやパソコンにかじりついて、必死に予約を試みます。

そして、運良く発売日である9月20日に手に入れた人々は、その足で旺角にある先達廣場へと向かいます。ここで驚くべきことに、彼らの目的はiPhoneの購入ではなく、売却なのです。

地元ニュースサイト「香港01」も、この異常な人出を報じています。

変動する買取価格

発売日の買取価格の推移を見てみましょう。(以下全てHK$)

◎ 午前中のPro Max 買取価格

左からBlack/White/Natural/Desert、縦にストレージサイズを示しています。
新色のDesertが最も高値で、興味深いことに小容量モデルの方が利益率が高いようです。(HK$2401=約44,000円の儲け)

◎ 午後のPro Max 買取価格

わずか数時間で買取価格は大幅に下落しています。それでもDesertの256GBモデルは強い人気を保っています。

昨年のiPhone 15シリーズでは、Proモデルの方がPro Maxより利益が出やすい傾向にありましたが、今年は午前中の時点ですでにProシリーズがAppleの定価を下回る買取価格になっていました。

◎ iPhone 16 Pro 買取価格

転売されたiPhoneの行方

ここで疑問が生じます。これらのiPhone 16はどこへ行くのでしょうか?

極一部は、争奪戦に敗れた香港の熱心なファンの手に渡ります。しかし、大半は他国へ流れていきます。

かつては中国本土が主な仕向先でしたが、中国政府による公務員のiPhone使用制限の影響で、需要は減少しています。

興味深いことに、量販店で働く知人によると、多くはドバイを経由してロシアやイランなど、正規ルートでは入手困難な国々に流れているそうです。ウクライナ侵攻後の経済制裁でAppleを含む多くの米企業がロシアから撤退し、イランとは長年国交が断絶していることが背景にあるのでしょうか。

法的・倫理的側面

このような転売行為は、グレーゾーンに位置しています。Appleは公式にこの慣行を非難していますが、実効的な対策は取られていません。香港の法律上、個人による小規模な転売は規制されていないのが現状です。

将来の展望

Appleがこの現象に対してより厳格な措置を取る可能性は低いでしょう。しかし、各国の規制強化や、消費者の意識変化により、この「風物詩」は徐々に変容していく可能性があります。

まとめ

香港のiPhone 16発売日の光景は、単なるガジェット好きの熱狂ではなく、グローバル経済、地政学、そして人々の価値観が交錯する興味深い社会現象と言えるでしょう。

皆さんは、この現象をどのように評価しますか?単なる市場原理の結果なのか、それとも何らかの規制が必要なのでしょうか?

私自身は、毎年繰り広げられるこの光景を眺めながら、まだ答えを出せずにいます。テクノロジーの進化と人間の欲望、そしてグローバル経済が交錯するこの現象は、簡単に白黒つけられるものではないのかもしれません。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。
次回もまた旅と技術の交差点でお会いしましょう。

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