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80代の親のiPhone - 「進化」と「使いやすさ」の葛藤

「物理ボタンがないと使えない」
義母の一言が、私に高齢者とテクノロジーの関係について考えさせるきっかけを与えました。

物理ボタンに執着

私の両親も妻の両親も、すでに80歳を超えていますがスマホユーザーです。
先日、妻から「お母さんのiPhoneの電池の持ちが悪くなった」と相談を受けました。

現在使っているのはiPhone 6s。物理的なホームボタンがある世代の機種です。新しい機種を提案すると、まず出てきた条件が「ホームボタンが必要」。候補として挙げたiPhone SEは「画面が小さすぎる」と却下され、中古品という選択肢も避けたいとのこと。

スマートフォンの選択が、こんなにも難しい問題になるとは思いませんでした。

香港の片隅にあった解決策

色々と考えた結果、香港の街中にある修理店に向かいました。電池の持ちが問題なら、交換という選択肢もあるはずです。

香港の街中にある修理店 30年修理をやってる女性店主兼オーナー

香港の修理店は実に効率的です。その場で電池交換をしてくれて、費用はわずか200香港ドル(約4,000円)、あっという間に完了しました。

そこで店長さんに聞いてみました。「ホームボタンがなくなった問題を、お年寄りの方はどう解決しているんですか?」

「アクセシビリティの中にあるAssistive Touchを使うと、かなり使いやすいですよ」

意外にも実用的なアドバイスが返ってきました。

テクノロジーと年齢の距離

新しい機能への興味が尽きない私でも、80歳を超えたときに同じような情熱を持ち続けていられるかは疑問です。むしろ、今の義母のように、慣れ親しんだインターフェースを求めているのかもしれません。

スマートフォンの進化は、時として高齢者を置き去りにします。物理ボタンの廃止は、メーカーにとっては「進化」かもしれませんが、多くの高齢者にとっては「使いづらさ」への一歩となっているのです。

何らかの架け橋が必要

しかし、テクノロジーと高齢者の間に横たわる溝は、必ずしも埋められないものではありません。Assistive Touchのような補助機能の存在は、その架け橋となる可能性を示しています。

香港の片隅の修理店で見つけた解決策(完全ではないですが)は、ヒントを与えてくれました。進化を続けるテクノロジーと高齢者の関係を考えることは、結局のところ、これからの社会に必要不可欠な課題だと思います。

そして、その答えは意外と身近なところにあるのかもしれませんね。

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