見出し画像

トルコ旅行 Day7 - 猫の暮らす世界遺産、エフェソス遺跡

クシャダスをあとにしてエフェソス遺跡に向かいました。ここはとにかく猫が多くて癒やされる場所です。

壮大な歴史的建造物との出会い

ケルスス図書館
エフェソス遺跡で最も人気のスポットであるケルスス(セルシウス)図書館。現存する部品を慎重に復元し、当時の姿に近い状態を保っています。

ケルスス図書館

建物は2階建ての壁面を持ち、古代ギリシャ様式の柱頭を持つ支柱と9段の足場が印象的です。内部は10.92メートル×16.7メートルという壮大なスケールで、その大きさに圧倒されます。美しい装飾の大理石で覆われた図書館内には、当時12万冊(一説には1万5千冊とも)にも及ぶ蔵書が保管されていたそうです。

館内には知識、学識、聡明さ、高潔さを象徴する彫像が立ち、壁面にはエロスや花冠、ばらの花飾りの優美なレリーフ装飾が施されています。さらに建物の下には、この図書館を建設したアクイラの父・セルシウスの棺が保管されており、かつての偉人の歴史に思いを馳せることができます。

とはいえ、修復作業のために我々はこの図書館は周りからみるだけでした。

公衆トイレ遺構 - 古代ローマの驚くべき設備と社交文化
エフェソス遺跡の水洗トイレは、古代ローマの高度な衛生設備と社交文化を今に伝える興味深い遺構です。

横一列に並んだ大理石の便座の下には、常時水が流れる水路があり、効率的な下水道システムを形成していました。集められた排泄物は肥料として再利用されるなど、当時から資源の循環利用が行われていたそうです。

しかし、最も興味深いのは、この場所が単なる衛生設備ではなく、社交の場としても機能していた点です。仕切りのない設計により、利用者同士の会話が自然と生まれる空間となっていたそうです、私はまだ経験したことがありませんが、中国ではニーハオトイレとかいいますねw 

ニケのレリーフ(Nike of Ephesus)
ニケの翼が、ナイキのロゴの元になったと言われる勝利の女神 ニケ。

ニケといえば、ルーブル美術館の「サモトラケのニケ」が有名ですが、このエフェソス遺跡にもニケのレリーフが残されています。

古代都市の重要なモニュメントとして元々あったヘラクレスの門から少し離れたところに設置されています。

もう少し飾りようがあるだろ!というツッコミを入れたくなります

サモトラケのニケは彫刻としての完成度や芸術性で知られますが、このエフェソス遺跡のニケのレリーフは、月桂樹の冠とヤシの枝という勝利の象徴を持っていることで、よりダイレクトに勝利の女神としての意味を伝えているような気がします。

大劇場


エフェソス遺跡の大劇場は、古代ローマ時代を代表する壮大な建造物として、今なお多くの観光客を魅了し続けています。

 

約25,000人を収容できるというその規模は圧巻です。丘を背にしたすり鉢状の構造で、広大な空間を持ちます。

特筆すべきは、その優れた音響効果です。建築技術の粋を集めた巧みな設計により、2000年以上の時を経た今でもその音響特性は健在で、現在でもオペラやコンサートなどの文化施設として活用されているそうです。

古代ローマの建築技術の高さを今に伝える、まさに生きた歴史遺産ですね。

アルテミス神殿
世界の七不思議の一つとして知られる神殿ですが、現在は柱が一本だけ残っているという状態で、残念ながら今回のツアールートには含まれていませんでした。
わずか30分ほどで行けるとのことで、時間があれば訪れてみたかったのですが・・・

Google Mapより

アルテミス神殿は不思議というよりは、この時代にここまで大きな神殿が存在したという驚きだと思うので、七不思議の一つといわれるとちょっと違和感があります。

ちなみに「世界の七不思議」は英語では「Seven Wonders of the World」で、「不思議」よりは「驚きの」という意味の方が本来の意味に沿っているような気がします、誤訳は言いすぎでしょうか。

世界遺産に暮らす猫たち

トルコはどこに行っても猫を見かけますが、このエフェソス遺跡の猫たちには、世界遺産にゆったりと暮らす猫という独特の風格が感じられました。

遺跡の優雅な猫ちゃん(その1)
遺跡の優雅な猫ちゃん(その2)

遺跡のあらゆる場所で猫たちを見かけることができ、彼らは人を全く恐れません。多くの観光客に撫でられ、餌をもらい、時には写真撮影にも応じてくれます(時には応じてくれないこともあります)。

エサを見た途端 豹変する 猫1と猫2

私たちは香港から猫用の餌を持参していたのですが、妻が餌を見せると、さっきまで優雅だった猫が突然飛びかかってきた姿が印象的でした。世界遺産に暮らす猫といえども、食べ物の魅力には抗えないようです。

クシャダスのオッドアイの猫との出会い

クシャダスでは、左右の目の色が異なる美しい猫に出会いました。これはトルコ猫の特徴の一つで、特にトルコアンゴラやトルコバンと呼ばれる品種でよく見られる特徴だそうです。

白を基調とした毛並みに、片方が青、もう片方が緑という神秘的な瞳を持つ猫は、とても人懐っこく、餌がなくなるまでずっとついてきてくれました。

トルコでは猫に餌を与えることを制限するようなルールは設けられていません。そのため、街のいたるところで猫を見かけることができ、人と猫の自然な共生が実現しています。

イスラム教の教えでも猫は大切にされており、この文化的背景が現代のトルコの街と猫との関係を形作っているのかもしれませんね。

さてこのあと、我々は最終目的地のイスタンブールに向かいます。


いいなと思ったら応援しよう!