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My sword。

私に住む孤独感。普段はおとなしくしているが、うっかり愛がそこを撫でたりするとひりひりと顔を出してくる。そして私は苛立っている。
別れの時、剣のようなものがキーンという音を立ててあなたの身体を貫くのを聞いた。どうやってそれが音のように聞こえたのかなんてほんとうにわからない。しかし赦された抱擁が徐々に二人の隙間をなくし、魂は二人の間を行き交うようになっていた。
それは何にも役に立つものではなかったとあなたは言う。私達が見つけた愛の頂点は天に戻っていった。
私はまだ空を見上げているのだろうか。そこからは戻ってこないと知りながら。あの約束はすでに砕かれたと知りながら。
少なくともいま私は苛立ち、あの人の剣を構え、恐れている。
彼はまた来るのだろうか。また突然に、秘かに、そして神聖に。




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