Confluenceメッチャ便利なのに導入失敗する。どうして良いかわからない
コンフルエンスとは
コンフルエンス、使っている会社さん結構ありますよね。
知らない人への雑な説明
Confluenceは"team collaboration software"
社内Wikiっぽい感じ。 プロジェクトの情報や、社内体制の情報や、引き継ぎの文書や、入社した方への手続きの文書や、色々な文書を「作成する」「権限設定する」「共有する」が出来て、検索なども出来るものです。
海外、特に英語圏ではそこそこ使われていて、業界最大手と見られるSharepointの1/6程度のシェアがあると見られています。( Datanyze. 調べ)
外資だとかなり良かった
導入しているプロジェクトを幾つも経験していましたが、そんなに不満はありませんでした。(オンプレのしょぼいConfluence使ってる会社さんの時は重くて重くて仕方なかったけど)
多国籍なメンバーがリモートで参加するプロジェクトでは、凄い良かったです。大成功と言えるでしょう。
「○○のテンプレート使って、このプロジェクトの概要まとめといて」で、新人でも使えるドキュメントが作れます。
で、このデフォルトのテンプレートもかなり良いものです。
シンプルだけどソツがなく、業務経験の浅いメンバーでも戦力になれるものでした。
国内大企業に導入して失敗
その経験から、とある国内大手企業のプロジェクトで導入してみたのだけど、全然ワークしませんでした。
ドキュメントを書いてくれません。頑張って自分が書いても全然見てくれません。そもそも一度決めたゴールやルールは知らぬ間に頻繁に覆るので、明文化する意味もないように見えました。
導入前から少し想像はしていて、その状況を打破しようと思っての導入だったのですが、全然無理でした。
一応予算確保して導入したので、プロジェクトが落ち着いたタイミングでヒアリングして「今の所それっぽい」情報をまとめて置いておくことにしましたが、拭いきれない敗北感。
固まった情報だけログとして残しておくなら、それこそ共有フォルダにExcelで良いじゃんって話です。
Confluence、日本市場で一番のライバルはExcel?
こんな記事がありました。
日本人は今あるツールでなんとかするので便利なツールを使わない。Excelが最大のライバル。そんな記事です。
これ、Confluenceの導入に失敗した身から言わせると「浅い」「上辺しか見てない」と言わざるを得ません。
佐々木小次郎が宮本武蔵戦の敗因として「木刀は驚異だった」って答えてしまう位、本質を見落としています。
そんなんじゃ100回戦っても勝てません。
Confluenceの最大のライバルは「優秀で気が利く人」
Confluenceの日本市場での最大のライバルは「優秀で気が利く人」もう、コレに尽きます。
「あれ、これのデッドラインから逆算したUTの締め切りいつだっけ?」とか「この保守契約ってどの会社の誰に連絡すりゃ良いんだっけ?」みたいな質問に全部答える頭おかしい人が、日本企業には割といます。
そういう人がいるプロジェクトでは、Confluenceで検索なんてされません。
仮にその優秀で優しい人を「井上さん」とします。
Confluenceに情報を集約するより、井上さんに情報を集約する方が100倍便利です。
井上さんマジ優秀
井上さんをConfluenceと比べたときの優位性は明らかです。
井上さんはミーティングに同席させておくだけで良いのです。
井上さんは必要に応じて「その仕様は先日○○社さんが技術的にNGと言っていました」「明日締め切りですけど、大丈夫そうですか?」という感じで、必要な情報を必要な時に届けてくれます。
Confluenceはいくら情報を綺麗にまとめた所でpull型でしかなく、push型の井上さんには敵いません。
偉い人ほど井上さんに聞く
井上さんは偉い人に信頼されます。そして偉い人は思いつきで井上さんに声をかけます。「あれ、そう言えば契約っていつ更新だっけ?」と。
井上さんはすべてを把握して、何にでも答えられる状態をキープ出来てしまいます。
偉い人は井上さんにルール変更を伝えます。
「あー、あの件やっぱ対応することになったから。よろしく」
結果、井上さんは井上さんであり続けます。
Excelで十分。井上さんがコラボレーション機能を持つから
チームの情報基盤としてのコラボレーション機能は井上さんが担保します。
すると、ドキュメントはその情報表現能力さえあれば十分です。
共有フォルダ + Excel で十分です。
情報を整理して書いて、誰でも開けるExcelで問題ナシです。
リモートで変わる!?
この井上さん、席にいて声をかけられるからこその価値がありました。リモートだと中々気軽に声がかけられなくなります。
そこで Team collaboration software の出番!かと思いきや……
今見ている限りでは、オンラインでもやはり対話型コミュニケーション・スレッド型コミュニケーション・Issue型コミュニケーションが幅を効かせます。
情報のやり取りがオフラインからオンラインになったのに、WikiやConfluence的な情報集約は依然進まず、流れていくフロー的なやり取りが増えているように見えます。
フロー型のやり取りをベースに正しい情報を抜き取ることは、かなりの読解力を必要とするはずです。
ですが、それでもみなさん苦もなくやってのけています。
そしてやはりここでも井上さんは八面六臂の活躍をするのでした。
Confluenceメッチャ便利なのにどうして良いかわからない
ここまで来て結論は「Confluenceメッチャ便利なのにどうして良いかわからない」です。
敗北宣言です。
文化が違うと一言で言ってしまえばそれまでですが、本当に文化が違うからConfluenceを便利に導入できません。
そういう私も
そういう私も、Confluenceの整理されているプロジェクトより、井上さんがいるプロジェクトの方が安心して仕事ができるのです。実は。
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