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保険プランナーの変革とは

保険プランナーはとても忙しい、大変な仕事です。
私も外資系金融機関で11年4ヵ月、プランナーをしていたのでリアルに体験しています。
プランナーのDX変革に貢献したいとの思いが強くありますので、どう変革していけば良いのかを書いていきます。

業界の仕組み

保険プランナーは大量採用、大量脱落の世界です。
業界には重鎮プランナーがおり、それぞれがテリトリーを持っています。
重鎮になると、契約数は1,000件超で、中には数千件の方もいます。
その業界に、毎月新人が入ってきます。
外資系生保では、30歳前後の他業種の優秀な営業マンをヘッドハンティングしています。
営業所長というヘッドハンターが、血眼になって候補を探していますが、年で数十人から100人以上アプローチしているものの、平均的には年に1,2人くらいしか採用できていません。
採用するのは、銀行、証券、広告、MR、人材紹介、ディーラー、旅行会社など様々な他業種の優秀な営業マンです。
ほとんどの新人(8~9割)は、バタバタと倒れてしまい短命です。
もしくは成績ゾンビ状態で、うだつの上がらないままずっといます。
ごく限られた一部の新人が成績を上げ、MDRT、MDRT終身会員、COT、TOTと登っていきます。
MDRTは平常時で国内7,000人ほど。COTは数百人、TOTは100数十人くらいです。(コロナ期は条件が緩和されています。)
厳しいことを言えば、MDRT以上でないと、長く業界でやっていくのは割が合わない世界です。
例えば外資系生保ですと、年収は数千万~などと高い方も多いですが、フルコミッションで、活動費は全て自費です。
お客さまとの会食、ホテルのカフェ、手土産、ゴルフ、出張、旅行、飛行機、新幹線、タクシー、マーケティング費用などが相当かさみます。
活動費が年で数百万円~1,000万円以上かかる方もいます。会社員とはいえ、個人事業主、独立自営業です。
毎日、昼夜会食をしているだけで、年で数百万円はいきます。
MDRT以下なら、大企業の会社員のままでも良いかもしれません…


今までの生き残りの方法とは? 新人編

フルコミッションのプランナーが生き残るには、まずはとにかく人脈拡大をしていくことです。そしてその中から見込み客を発見していくことです。
毎日たくさんの新しい方にお会いし、ランチも夕食もお客さまと過ごし、日にできるだけ多くの方に保険提案をしていくことです。
新人~数年目までは土日祝日もないでしょう。
毎週必ずご契約を預かり続けるという覚悟が必要です。
常に崖っぷちの状況で、これをやり続けることなのです。
ここでまず多くの人が脱落していきます。
業界用語でいうセールスプロセス、OI、FF、PC、N、証券渡し、紹介入手といった活動を20以上など、できるだけ多く入れていかないと死んでしまいます。


中堅になってくると

3年目以降になってくると、ようやく先輩に生き残り組として名前を憶えてもらえるようになってきます。
新人時代の活動をそのまま続けている人もいますが、それを続けていると過労で倒れてしまいかねないので、アッパーマーケットに移行していくことを皆目指していきます。
ベテランの大先輩が、新人時代に過労で、高速道路にたまにある路肩スペースで仮眠をとったという話を聞いたこともあります。(S.Aまで身体が持たなかったのでしょう。)
個人のアッパーマーケットは、ドクターや士業、エリートビジネスマン、地主や相続案件などです。
法人のアッパーマーケットは、未上場のオーナー社長、医療法人理事長、資産管理会社、事業承継などです。
アッパーマーケットに移行できる方はわずかです。
ほとんどの人はそこへ行けずに終わってしまいます。
アッパーマーケットのクライアントは、付き合うプランナーを選びますので、ライフスタイルが同じで、彼らが普段している会話やたしなみができるプランナーでないと相手にされません。
中にはさらなる超富裕層を相手にするために、プランナー自身も、ロータリークラブやライオンズ、JC、美食や、バーやレストランのオーナーになったり、銀座や北新地、ゴルフ会員権、リゾート会員権、別荘、キャンプ、ブラックカード、住まい、アート、クルマ、服、時計、クルーザー、ヘリ、国内外旅行など、共通の趣味などに投資をしていく人もいます。
ブランディングに高額な費用を投下して、相応の顧客を相手にしているのです。


ベテランになってくると

MDRT終身会員や、COT、TOTクラスになってくると、成績も全社で上位1、2割の常連になってきます。
収入もかなりあり、見込み客を発見する仕組みづくりができている方が多いです。
自身が主催するコミュニティや美食会、勉強会、強固な関係の会計事務所、税理士、コンサルタント、他業種のエース営業などから見込み客の紹介を得たり、既存契約が500~1,000件以上になっており、それらの既存顧客から紹介を得ています。
お座敷営業のようなものが増えてきます。
ここまでくれば、プランナーの仕事をやってきて良かったとなります。
来れる方はほんのわずかです。
確率的には外資系生保ですも、数十人のうち1人くらいです。


保険プランナーは見込み客の発見が9割

どのレベルのプランナーも、日々、新規の見込み客を探しています。
若いレンジのプランナーは個人の数を、ベテランは富裕層を探しています。
数を追うのも、質を追求するのも、どちらも大変な仕事です。
常にセールスプロセスを回し続けなくてはならないので、例えば平常時は、ハワイや、アメリカ、沖縄で表彰式があったり、MDRTの世界大会、日本大会があり、一週間~10日ほど出張となるようなイベントが増えてきます。
こういった行事が入ると、セールスプロセスが途切れます。
プランナーは常に活動をし続けていないと、新規の数字を上げることはできないので、休むことができない仕事です。
お店と同じで、閉めている日は売上ゼロです。
企業人の有給休暇のようなものはありません。
プランナーは回遊魚のようなもので、動き続けていないと、止まったら酸素が入らなくなり、死んでしまいます。
そして、翌年には高額の税金がやってきます…

膨大なムダの先に契約がある

保険営業は成果につながらない活動の山です。
ありとあらゆることをして、新しい人との接点をつくっていく日々。
がんばって大人数の会食を企画したら、来られた方全員が同じ社の既存契約者で、営業できず徒労に終わることもあります。
ゴルフなどでもそういうことが起こります。
紹介を頂いて会ってみたら、不健康な方で保険提案ができなかったり、実は金銭状況的に厳しい方だったり、良い保険に入っていたり、他の保険会社と付き合いの深い方だったり、証券や不動産重視の方で保険には入らないと言われたり…と、きりがないほどのムダの先に、時折、ご契約を頂ける方が出てくるイメージです。大数の法則で活動量を確保していくしかないのです。

活動には想像以上に費用がかかる

営業活動は体力やストレス以外にも、経費もかさみます。
人と仲良くなるには、やはり食事や飲みが有効ですので、ランチや夕食、飲みなどでご馳走することが多くなります。
また、ロータリーやコミュニティ、会合、ゴルフや旅行、趣味などで一緒に時間を過ごすことも仲良くなります。
例えばロータリーは、会費や寄付などで、年100万以上はかかります。
お役目や奉仕活動もたくさんあります。
代々続く事業のオーナーで、仕事は全部部下がやってくれている会長、社長向けの名誉職のようなものです。そんな方々は、旅行やゴルフに興じていても、会社に売上は入り続けていますが、プランナーは仕事を全部自身でやらなくてはならないので、大変です。
個人保険でも、前後の交通費、ホテルでのカフェ代数回、時折飛行機や新幹線、タクシーなど、自前の営業車を用意して移動する方も多く、その場合は自動車購入費、維持費、ガソリン代、駐車場代など、日々活動費はどんどんかかります。
1人の新規顧客獲得に、平均で3万円以上かかる場合も多いでしょう。

仕事のやり方を変革する

今までのやり方で数字が出ている人も、それが数年後に通じるかどうかはわかりません。
コロナが再び蔓延して、長期的に新規の人と出会えなくなる可能性もあります。
毎晩会食をして、仕事を拡大していたプランナーも、緊急事態宣言などで飲食店が閉まってしまったら、そのマーケティングはできなくなります。
特定の業種で事業拡大していプランナーも、その業種がコロナで大打撃を受けてしまうと、新規の見込が減ってしまいます。
コロナをきっかけに、新規の見込み客との接点がなくなるリスクがあります。
そういった事態まで想定して、新たな一手にチャレンジしていく必要があります。

パラダイムシフト

私の知っているプランナーで、圧倒的な成績を出したが、亡くなってしまった方が何人かいます。
プランナーがお客さまより先に亡くなってしまっては、お客さまも残念に思うはずです。
過労も原因なのではないかと思います。
毎晩、飲に行かざるを得なかったり、過酷な出張や移動、活動量などがプランナーの健康を脅かしています。
例えば、大阪で夜遅くまでお客さまと会っていて、飛行機も新幹線もないので、タクシーで深夜に東京に戻り、早朝から東京のお客さまと面談といった具合です。
平日の9:00-17:00の仕事だけで、今までと変わらない生産性が出せたら、何倍も効率良く仕事ができたら、夜は家族と食事をとったり、週末はオフにして、家族と遊びに出かけたりできるのではないでしょうか。
成績を上げて収入だけ高くても、大切な家族との時間がないのであれば、それは豊かとは言えません。
モーレツ営業から知的営業にシフトしていくべきです。

オンラインセールスへシフトする

例えば、いつでも5,000人の新規見込客にアプローチできたら、見込み客の発見に使っていた9割の時間を、提案のクオリティアップや、オフタイムにあてることができます。

オンラインであれば、1時間で10人の新規見込客にアプローチをすることもできます。
アナログと比べた場合に、10X、10倍以上の生産性が期待できます。
従来10日間でやっていた仕事を、たった1日でできるわけです。
コストもかなりおさえられる可能性があります。

今までのアナログの仕事では物理的限界があったかと思いますが、それをデジタルトランスフォーメーションするのです。
大昔の人間は、火を見た時、はじめは恐れたかもしれません。
そういったものを使いこなせるようになって、文明が急速に進化していきました。
オンラインは俺には関係ない、見込み客の発見は自力だ。ご紹介で成り立っているというスタンスではなく、積極的に活用していくことが、これからの新しい仕事の仕方、営業活動の進化につながっていくものと考えます。








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