たまごごはんの無職生活 その8-履歴書とポートフォリオ
やりたいことが定まってきて本業を持ちつつ副業を模索するというややとっちらかった状況であるせいだろうか、やろうと思っていることが多い。
ちなみに以前働いていた会社の部長が、
「同時に2つ以上のことにとりかかるな取り掛からないこと、それ以上をやろうとするとどれも達成できない」
といっていたというのがあって、それまでは自分でなんとなく3つだと思っていたので面白く思った覚えがある。この部長がとても優秀で頭のいい人だったので妙に説得力があってその当時のチームメンバーで「2つまで」をしばらく口癖にしたほど。
というわけで長期的には本業の取得と副業の模索、という2本柱で当面の2つのタスクとし、いずれも自分を売り込む素材を作りこむ、というのがまずやらねばならないことだなんと思い至る。それすなわち履歴書とポートフォリオ、いわゆる作品集というやつだ。
10年以上更新されていない個人情報をまとめる作業
何しろ辞めたばかりの会社にはかれこれ13年半もいたのだ。その間はその会社での仕事に没頭していたせいで転職活動なんてものもやってない。ということは履歴書もポートフォリオもそれだけ更新していないということで。まずは以前どんな感じだったのか、そのファイルを探すだけでもちょっと時間がかかってしまったくらい。
履歴書なんてWordで作ってある。ポートフォリオはPowerPointだ。今だとどっちもInDesignで作る。すでに時代とスキルの差を感じる。こちらは特に決まったフォーマットがないので履歴書ならそのデザインやレイアウトからもうそのセンスが問われちゃうのだ。
アメリカでは履歴書のことをレジュメというのだけど、イギリスではCV、Curriculum Vitae という。アメリカで職探しをしたことがないので断言はできないのだけれど、呼び名は異なれど内容やスタイルに違いはないようだ。ちなみにテンプレートはさっくりネットに転がっている。でも今はテンプレートを買うのね! もうなんでも商売だね、とちょっとびっくり。
最近では人事の人間にたどり着く前にAIがCVをふるいにかけるのでそこでひっかかるCV作りっていうのが必要なようで。オンラインで自分のCVの点数をつけてくれたりする。テンプレは使わなかったけどそれは使ってみた。言葉のチョイスが悪いと言われたので修正したよ。ただしその効果があったのかどうかは正直よくわからない。
ポートフォリオだとこんな感じ。
こっちはもっと自由。これは日本も一緒かな。最近ではウェブでポートフォリオをつくることの方が多いかもしれない。面接なんかではiPadや面接先のスクリーンをつかったりっていうのが主流なのではないだろうか。自分は面接をする側だったのでそっちのトレンドはまぁまぁ把握してるといってもいいかもしれない。
デザインの作業ってやっぱり楽しい
時間もあるしもともとレイアウトとか色構成とかフォントとかで遊ぶのが大好きなのもあって、これを機にテンプレートから一から作ることにした。カラーパレットも作ってフォントは作るのはさすがにえらいことになるからAdobeで使えるものから2つ選んで。
キーワードとか大きく表示するフォントと説明とか詳細のフォントを変えると見栄えきくなーとか色はグレーをいくつかベースに渋めの色を足すとビジネス感が出ていいなとか。パレットを作っておくと後々の時短に役に立つからここはわりと時間をかけた。
テンプレートをつくるのはもともと好きだからこれは楽しい作業だった。パターンもいくつも作って組み合わせを試したり。
それと同時進行でポートフォリオに入れる写真、イメージパース、スケッチや図面などを会社を辞める前にひっぱってきたデータから選んでいく。何しろ過去13年のプロジェクトを年代別に並べるところから始まってそれらのプロジェクトデータ、いわゆるサイズとかサービスの内容とかを書き出していくというなかなかに時間のかかる作業を黙々と1か月以上かけてタラタラやったような気がする。
これはデザイナーの性でもあるのだろうけどできたと思ってファイルを閉じて、翌日に見直すとどこか気になるところがある。それを修正したり作り直したりとしているともうこれはエンドレスの作業になるわけで。時間をかければかけるだけいいものができるのは基本だけど、あまりこねくり回しすぎると目的からそれたものになっちゃったり。なので作ったバージョンはその時々で保存するということをしてしまう。ちなみに現在最新のバージョンでCVは7稿、ポートフォリオは6稿だ。
ミニバージョンも作る
ポートフォリオは必要な物件や仕事内容を網羅した全バージョンとそれらからハイライトで3-5ページにまとめたものをつくるのがわりと普通。最初に仕事を応募する際にはCVとショートバージョンを送って、実際の面接でフルバージョンを持っていくというパターンかな。ポートフォリオが10ページ以上もあるといいたいことがはっきりしない人、という印象になる。CVは1枚にまとめるのが原則。たまにCVとポートフォリオが合わさったものも見るけれど、立場が上になっていくほどによりコンパクトに自分を表現することが求められると言ってもいいだろう。ボードミーティングは3スライドで文字は大きく!みたいなね。
さすがに6,7稿とまでくると直しもなくなってきて、もうこれ以上は触らない!と思ったのは数日前。どうかなー PDFにした際にメニューから各ページに飛べるようにしたりといいお勉強になった。
副業フリーランスデザイナーとしてのポートフォリオ
フリーランスとしてのポートフォリオも作った。こっちはかなり重要で、それらがないとクライアントが私のテイストがクライアントのテイストに合っているかがわからないから仕事獲得の可能性がすごく低くなってしまうのだ。けれど手持ちのポートフォリオをそのまま載せるわけにもいかず長らく「やんなきゃいけないことリスト」にさまよっていたのだがようやく手を付けた。それも架空設定で。クライアントいないと、というよりは自分がクライアントだとサクッとできちゃう。
パッケージでお仕事を売るというシステムもあるのでそのパッケージもつくる。これで今後のコンペ参加時にもちょっとは役に立つかなー ここのところは別の作業ばかりしていてLancersのコンペものに参加できていないのだけれどこのポートフォリオを作るにあたって改めて昨年3か月ほどの間に作った作品を見直してみた。
やっぱり新しいものになるほどデザインとしてはこなれてきているというか、プロっぽくなっていってるなという感じ。デザインとして主張したいことがはっきりしているというのだろうか。やっぱり数はこなさないとだめだし、作り続けないとダメだよなぁと改めて思った。腕ってすぐに鈍ってしまう。
今回久々に履歴書とポートフォリオを作り直したけれど、昔と違って今は他の人のものも簡単にたくさん見れるしどうやったら効果的なものをつくれるのかとかのノウハウもネットで簡単に手に入る。これってすごいことだよなぁと改めて思った。面接のコツなんかもYouTubeにいけばいくらでも転がってるしね。
昔は査定する側も大変だったよなとも思う。郵便で送ってたんだよー。ポートフォリオなんて大きなバッグしょって面接行ってたもんなぁ。でもまぁ最後はビデオコールでもなんでも直接面接での人間勝負なんだけどね。これは変わらないよなぁ。
面接にやってくる人たちが大きなバッグを持っていることがなくなって久しい。さっとiPadを出してポートフォリオの説明を始めたり、ウェブポートフォリオを使う子がいたり、かと思えばオリジナルでカードを作っていてそれらを話の内容に合わせて選ぶ人がいたりと自分を表現する方法も多様化してる。ビデオコールでの面接は直接会うのとはやっぱり違うし。デジタルプレゼンはやっぱり好きになれない。
改めて自分を売り込むためにどのメディアが正しいか、どういう話し方がいいかをこの数年、みんな模索している。ソフトもいろいろ進化していっていてついていくのも大変だぁ。
つづく
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