たまごごはんの無職生活 その11-再就活とLinkedIn
やりたいことは決まった、そのためのリサーチもした、職に応募するための材料(履歴書とポートフォリオ)も用意できている。というわけでいよいよ就活のスタートなんである。
コネに対する抵抗
いい年こいたオバサンがなにを言うかといわれても仕方がないのだが、嫌なもんは嫌なんだ。職種を変えなければ自信も経験も申し分ないと思うし、そこからのコネクションで機会を得ることはありだ。だけど業界は重なっているものの専門性が違う。これまでの経験を活かせるとはいえ、その専門者としての実力は未知数な部分も多い。そんな中でアドバイスをくれた業界の友人や知り合い、クライアントに声をかけるのはどうしてもためらわれてしまった。
そんなワタシがやったのはまぁいわゆる泥んこ体当たり作戦である。正直お金と時間に余裕がなければできない戦法でまったくオススメしない。でもここは昭和生まれの頑固もの、育ったのはコテコテのインテリア建設業界なので、まずは思うところからやってみようと思った。なにより時間がかかってでも自分で納得のいく、将来につながる転職にしないとこれまで時間を費やした意味がない。ここは腹をくくろうと思った。
LinkedInのプロファイルづくり
そんな作戦とも言い難い手法を取ったワタシが最初にしたこと、それは既出のカーロッタちゃんがアドバイスしてくれたLinkedInのプロファイルを丁寧に作ること、である。
これは後々考えると非常に大事だった。やっぱり若い現役世代にアドバイスもらうのは大事だ。なぜなら魅力的な経歴はリクルーターとヘッドハンターを刺激する。そしてきっかけはどうあれ面接まで行った場合はほとんどの場合、面接官は自分のLinkedInをチェックしている。これは特に中途採用、しかもそこそこ年齢と経験を重ねた人であればあるほどその確実性は高くなるといっていいだろう。
経歴からスキルなどを丁寧に書くのは最低限で、大事なのは名前の下にくるタイトルと英語版だとAboutにあたる、自己紹介の部分。タイトルは個人的には肩書や職種を書くよりは自分がどんなプロになりたいか、そしてどんなことを社会で実現したいかというヴィジョンやポリシーを感じさせるものの方が人に響くように思う。
これらは就活を重ねる上で正直何度も修正した。実際考えすぎてタイトルが異常に長くなってしまい、ついには私のやることにほとんど口を出さない相棒が、
「1つだけ言ってもいいかな。個人的な意見だし、意図することもよくわかるんだけど、さすがにタイトルがちょっと長すぎると思うよ…」
と言われちゃったのは今では笑い話。ちなみにそれを日本語にすると、
「オフィスに関する設計、クオリティ及びプロジェクトマネージメントの経験豊富なクライアントエンゲージメントのスペシャリスト」
てな感じ。なんだそりゃって感じね。最終的にはシンプルなものに落ち着いたよ。
LinkedInからの応募
そんなこんなでまずは自分が思う上でよしと思えるプロファイルがまとまったので、職探しを始める。キーワードと条件を入れると一気にいろんな応募が出てくる。まずここでちょっと興奮。なんだ、いっぱい仕事あるじゃん。というわけでまずは試しとばかりに職歴は重ならないままで自分が将来的にたどり着きたい仕事を2-3個応募してみる。
LinkedInから直接応募のタイプもあるものの、大手は各社それぞれのリクルート専用のサイトに飛ぶものが多い。リクルートエージェントに飛ぶパターンもままある。
結論からいうと色々なパターンほぼすべてやったと思う。ヘッドハンターやらリクルーターからの直接のアプローチも結構あった。でもそれらすべてはLinkedInが発端で。逆に言うとLinkedInの使い方さえ知っていれば職探しはそれだけでも大した数になる。ただ自分の場合は専門職種を変えようとしたので結構苦戦した。経験柄、面接までいけばいいとこまでいく自信はあるのだがそこまでたどり着かない。連絡がかえってくればいい方で、応募してもなしのつぶて、なんてのもままあった。かと思えば丁寧に理由を説明してくれる中堅企業もあったり。
最初は希望職種ドンピシャで経験がないものでもどんどん応募していたのだけれど、お断りもしくはなしのつぶてが10件を超えたあたりで不安になってきた。
「やっぱりこの歳で新しくやりたい事やろうなんて甘かったんだ」
「面白そうな仕事はいっぱいあるので箸にも棒にも引っかからないなんて、このままでは仕事を見つけること自体が大変なんじゃなかろうか」
「とにかく面接まで行かないことにはどうしようもないけど、そこまで行くのが一番の難関なんだよなー どうしたらいいかなー」
などなど。前職を辞して早8か月。もともとは半年くらいはのんびりするかというところだったので気持ちもちょっと焦ってきている。これは作戦を練らねばと、仕事への応募をちょっと休憩することにした。
チェンジマネージメントの資格
社会人経験はそこそこあるけれどやりたい職種の職歴がない場合はどうしたらいいのか。ToDoリストに戻ると大事なアイテムが一つ、資格である。真面目にリサーチをするとドンピシャなのは大学院に行かなきゃいけない。これは真剣に悩んだ。これからフルタイムで2年はさすがに無理だ。貯金を食いつぶせばなんとかなるけれど、50手前の未婚オンナのすることじゃないわ。パートタイムで3年は可能だけど、まずは残高が減り続ける生活から脱出するのが先だ。でも資格があると前職からの繋がりができて説得力が出るぞ。
というわけで改めてリサーチ。1週間で取れる資格を見つける。中身をみればなるほど学びたいことがぎゅっと凝縮して1日7時間のコースを5日間みっちり。最終日は模擬テストもついている。ほかにもいくつか見つけたが、時間と費用を合わせ見ると1つに結論が出た。
ここからも面白かったのだけど、同じ資格でもそれを学ぶ学校に寄って値段が違う。他とも話をしているというとディスカウントしてきたり別のプロジェクトマネージメントのコースとセットでぐっと安くなったり。そこはこっちも仕事柄、交渉ごとは楽しんでしまった。
資格取得コースと2段階に分かれた試験とを合わせてすべてに1月程かかっただろうか。リモートでの資格試験もいい経験になったし、なによりコースも資料もすべてが自分が知りたいことが満載で興奮しながら真面目に勉強した。
すこし話は逸れるが、ワタシにとって英文を正しく素早く理解して正しい回答を選ぶという作業は話すことよりプレゼンテーションをすることより大変な作業で。普段いかに表情や動き、ぼちぼちな表現に頼って生きているかということなのだけど。幸いなことにネイティブでないことを証明すれば2割かな、時間を追加できるということでありがたく申請。
試験は幸いにも1次、2次とも無事合格。はーやれやれってことでToDo1つ終わる。
セルフブランディング、または自分から発信するということ
LinkedInを就活の手段として使い始めてもう一つ気づいたのが使い方もいろいろだということ。前職にあったときは仕事をした人とのコネクションをキープするためのツールとしてがメインだった。けれど自分のプロファイルを作り込んでから他の人のポストを見ていると単に他の人のポストに対するリアクションだけというパターンがかなり多い。あとは自分の会社や同僚のポストをシェアしたり本人が面白かったニュースや記事を貼ったり。自分の考えや意見を書く人もいればちゃんと記事を書いたりしている人もいるのを見ていてこれは使えるなと思った。
要するにTwitterやInstagramと同じでどうやってSNSを使うかかぁ、と考えてこれは戦略的に他の人が興味を持ちそうでかつ自分も勉強になるオリジナルコンテンツをポストしようと。それもそこそこ定期的に。誰が読んだかもわかるし、意見をポストしてくれたりもするしこれは面白いかもしれない、と。
毎週ポストするとちょっとお腹いっぱい感があるから2週間に1回を心がけた。これは今回の再就職活動にあたって最もためになったかもしれない。図らずもセルフブランディングという領域に自然と踏み入れたともいえる。普段から発信することを考えるようになったし、情報を自分というフィルターを通して咀嚼する習慣も身に着いた。あとは自分をどこか客観的にみるというか分析するようになったと思う。
というわけでようやくたまごごはんの再就職活動も最終段階に近づいてきた…かな。
つづく
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