たまごごはんの無職生活 その6-自身のキャリアマップをつくってみた
「生きがい」という言葉がある。個人的にこの言葉ってちょっと危険だと思う。理由はそれを失ってしまえば生きていけないという印象があって、そこまで思い込む状況自体に危うさを感じるから。知っている限りこの言葉に対する英語は単語としては見当たらない。そしてこのところそのままikigaiとして使われているのをよく見かけるようになった。特にキャリアアップとか自己啓発系のセミナーで耳にする。Umamiみたいにちょっとアタシわかってるのよねって感じで使われてる感じがある。
「やりがい」という言葉もある。これは「生きがい」ほど切羽詰まった感じはないので危険感はそこまでないが、はっきりとなんだと言われると説明するのは簡単ではないような。英語にすると「reward」になるようだがしっくりこない。Rewardだと報酬とか見返りとかでやりがいとはちょっと違う。Worthwhileだともっとビジネスライクな感じだし、meaningful も違う。形容しだしな。Motivationが近いけれど言葉としての意味は違うよね。
どちらも日本文化に根差した言葉なんじゃないかと思う。らしいというか。Kaizenはビジネスではよく聞きます。ちょっと関係ないか。
ワタシにとっての生きがいとやりがい
自分に照らし合わせて考えてみる。自分にとってのやりがいはシンプルで、
「いい仕事したなぁ」
と思ったとき。もしくはよい結果が見えたとき、だろうか。設計なんてある種わかりやすい仕事をしているので結果ははっきり工事の竣工という形で目に見える。さらに自分が携わった物件の空間を使用している人と接したり見たりすることでその自分の仕事の出来や成果もわかる。もっといえばその空間が1年でがらっと変更されてしまえば設計内容に不備があった表れでもあるし、10年経っても大事に使ってもらえてるととても幸せな気分、やりがいを感じる。
もちろん、期限通りに終わったとか、会社としての利益を出したかとか、チームが機能したかとかというところもあるがそれは大前提。これらをやりがいと思うことはあまりないかもれない。
じゃあ生きがいはどうだ、と考えると止まってしまった。この仕事をやっててよかったああぁ!とかこれがなくちゃ生きてる意味がないのよおおおおぉ!とまでいく仕事をしてきたのか、またはしたいのかと問われればちょっと考えさせてくれと言ってしまいそうだ。自分にとって生きがいは仕事に連結していると思うのははっきりしているんだけど。
とそこまで考えて思いついた。自分にとって生きがいとは多分(断言なんてできないっす)、
「ものをつくること」
ことなんだろう。だったら必ずしも仕事につながっていなくてもいいわけだ。あとそれがどうしてもやめられない、いつのまにかやってしまう、というのも当たるようにも思う。
そもそも生きがい=仕事っていう図式がおかしいのか。でもずっとそうやって生きてきてしまったからちょっとこの発見はショックだった。昭和なのかなぁ。
仕事を辞めてこの1年、そんなことをつらつらと考えられる時間ができたのは本当によかったと思う。キャリアコンサルタントなんて怪しげなヒトタチがやっているウェビナーをいろいろ聞き限りながら自分のこれまでのキャリアと今後をじっくり考えた。
自分がやりたいことはあるか
これまでやっていた仕事はやりがいもあったし大好きな仕事ではあったのだけれど、どこかやりつくした感があったのか前述した「いい仕事」をしたと思ったの充実感や達成感、満足感などが徐々に薄れていっている自覚があった。
それに加えて中間管理職から幹部クラスへの出世を巡る根回しや争いに徐々に疲弊していく。それに対して部下を育てたり、仕事の効率をよくしたり、業界全体に役に立つような動きをすることに面白さを見出していった。
今後を考えていく上でまず自分がいる業界が好きで、今後も自分の経験を生かして仕事をしていきたい、そしてその仕事を通して社会に貢献していきたいということを再認識したこと。それがいい出発点になったように思う。
それから具体的に何がしたいかを考えた。まずはどんなときが楽しいかを。
設計という仕事を通して大事なのは人を知ることで、何よりできあがった空間を使う人の事を考えてつくることでもある。人によってもちろん違うけど、ワタシにとってはそうで。
そこからワタシは設計というぶっちゃけていうとエゴの戦いの世界から人と空間をつなぐということに面白さを見出していたことに気づいた。
やりたいことを見つけるためには2つのカテゴリーを使った。
「やっていて楽しいこと」
「やるのが得意なこと」
この2つが重なるととてもいい。でも全部が全部はもちろん重ならない。それを認識するのが大切なんだと思う。そしてやりたいことというのはこの2つがセットになってるんじゃないかね。
自分を分析する
次にしたのが自分をちょっと離れたところからみて自分という人間の能力と価値を分析してみた。
自分でわかっているスキル、例えばコンピューターソフトを使えるかとか人材やスケジュール管理ができるとか、設計費の交渉が得意だとか新規顧客を取ってこれるとかいろいろ。自分が得意だと思っていることだけではなくて、周りから褒められたり評価されたことのあることをスキルとして取り上げるようにした。平たく言うと実績のないスキルや経験はカウントしない。
これらの考えをまとめる作業はブレインストーミングというやつでとにかく思いついたことを箇条書きにしていく。こっちの人はこの手法をよく使う。個人でもチームでもとっかかりとしてやってみる。いい方法だと思う。もちろんいいたいことを言える環境でないと意味はないけども。
1枚目はランダムな箇条書きでもぐちゃぐちゃのノートでも付箋でもいい。2枚目からはグループごとにまとめたり似たようなものを削除したりして図表として可視化していく。ワタシはダイアグラム(図表)オタクなのでこの辺の作業は楽しくてたまらない。得意なことなんかは「まあまあ得意」と「まかしとけ」の2つに分けたりして。漫画みたいなスケッチも交じる。
得意なことの最初のバージョン。なぜかシーサーの影絵が描いてある。なんでだろうなー
需要はあるか
次はやりたいこととできることが重なっている『オシゴト』が存在するか。または現在のマーケットにおいて需要があるか。
ワタシは業界の友人に4-5人会って話を聞いた。まぁパブでビールを飲みながらの近況報告なんてのも含むけれど。
わかりやすく? 図表化もしてみた。
10年後の自分とリタイア時期の設定
そして最後に就活を始める前に考えたことは10年後のざっくりとしたイメージと何歳くらいでリタイアしたいか。10年後をイメージするためには2-3年ごとくらいのマイルストーンも考える。リタイアの時期を考えるのは遅ければ遅いほどこれまでとこれからのキャリアでいかに潰しが効くか、自分がいる(もしくは行く)マーケットがどれくらい盤石か、ようは仕事があるかということ。
他の事もしながらだけど考えがまとまるまでになんだかんだで3か月くらいはかかったかな。要は時間なんだろう。あと自分と向き合うってことなんだろうね。
ワタシが出した結論は「ワークプレイスチェンジマネージメントコンサルタント」という、なんだか怪しげな職なんだけど。
で、いよいよ就職活動を開始するわけです。でもそれと同時に副業ということも考えはじめた。ので次は副業のお話。これもワークライフバランスの一環です。
Noteを見ているとみんないろいろ頑張ってるなぁと元気が出ますね。
つづく