3手詰めの解き方 2019-3-3
こんにちは。といとです。3手詰めの解き方、6問目です。
6問目
とりあえず今までも出てきた下の原則を用います。ここまでやってきて気づいたのですが、思っていた以上によく使う考え方みたいですね。
・原則 玉の逃げ道をふさいでいるか考える
・原則 役立っていない駒を使う
この原則は何とか使っているので、かなり省略して書いていきます。簡単にいえば、
1.玉の逃げ場をふさいでいる攻め駒を除いて、
2.残った駒に近づけるように王手をかける
という流れです。この問題の場合は、5一とと、5四歩が該当しています。
使えていない駒としてあげた5一とと、5四歩のうち、より使いづらい駒に注目します。と金と歩という駒のパワー的にはと金のほうが強いですが、この場合は5一とのほうが使いにくいと考えます。後手玉が4二に逃げられたときと4三に逃げられたとき、どちらでも5四歩は5三をふさぐ役目がありますが、5一とは後手玉が4二に逃げたときしか役立ちません。5一とを使う手順を見つけるため、後手の応手は△4二玉と予想します。
もし、図の局面から後手が△4二玉としたなら詰みがあります。読んでいる方は1手詰めを解けると想定しているので、そこは頑張ってくださいね。▲4一角成までで詰みです。
これで、▲○○△4二玉▲4一角成までの詰み筋を見つけることができました。あとの材料としては持ち駒の銀があるので、▲○○銀△4二玉▲4一角成までの手順を探します。
ここで、「詰将棋では捨て駒が多い」というセオリーを考えると、すぐに解決するのですが、このセオリーは実戦であまり役立たないので、掘り下げません。もっと回り道をしましょう。
△4二玉と応じられそうな銀を使った王手を探します。捨て駒も含めて、フラットに考えましょう。すると▲2二銀、▲2四銀、▲4二銀があげられます。銀を使った王手、全部そうですね。
上記の手を順番に当てはめていってもいいのですが、「初手を保留して変化を考える」ほうが効率的ですから、その説明をしていきます。このシリーズではすでに3問目を解くときに使っているのですが、ちょっと難しい考え方です。(参考https://note.mu/toito_shogi/n/n5483c31cfdea)
初手については確定させないまま2手目△4二玉の前提を外して、△4三玉とされたときに詰む形を探します。▲2二銀、▲2四銀、▲4二銀のどれかの王手していると仮定していますから、そのどれかでいいので、詰みがないか考えてみましょう。
答えとしては、▲4二銀と打ったときだけ△4三玉に▲5三歩成で詰みがあります。ほかの手では△4三玉に詰む形がなさそうです。
ということで初手▲4二銀とすれば、▲4二銀に△同玉なら▲4一角成、▲4二銀に△4三玉なら▲5三歩成までの詰みとまで確認できました。残りは▲4二銀に△同角です。そこで▲4一角成までの詰みを発見できれば、初手▲4二銀で詰みとわかります。
まとめ
この問題は▲4二銀はひと目かどうかで難易度が大きく変わるでしょう。詰将棋に慣れている人は、逆に捨て駒である▲4二銀から考えるので簡単です。そうでない人は、ちゃんと外堀を埋めてからでいいので、捨て駒を恐れず▲4二銀を考えられるようになる必要があるでしょう。
本問の流れ
雑記
・「詰将棋では捨て駒が多い」というセオリーについての補足です。実はけっこうよく使えるし、教わったことがある人もいると思います。しかし、これは作る側の心理を読むテクニックで、指し将棋には役立ちません。実戦で役立たないテクニックで問題を解決するより、実戦で応用可能な方法を用いたほうがこのシリーズの目的に沿っていると考えて回り道をしました。今後も言及されることはあるかもしれませんが、原則として適用することはないでしょう。
ただし、「ちゃんとした目標があるなら、捨て駒を恐れない」というのは大事ですし、実戦でも必要になります。
・予定より時間を使わずにすんだので、本問の流れを図にしてみました。
・問題は「詰棋ドリンク」(週刊将棋編)から使わせていただきました。