みらいの学校?過去の学校?「夢みる小学校」鑑賞レポート
問い立てラボの活動「夢みる小学校」映画鑑賞&ディスカッションのレポートです。
2022年6月17日(金)12:10~
高校教諭、日本語教師、大学院生と私の4人が鑑賞後に「Feeling(感じたこと)3選」をあげました。映画の内容を記述するものではありません。ネタバレする部分もあれば、個人の解釈が混ざっているものもあります。
0.「夢見る小学校」予告編
1.ザッキー(私)のFeeling3選
➀発達障がいという考え方は、子どもの障がいではなくて、一斉一律で教えるシステムが生んでいる害なのではないか。(茂木健一郎氏は)脳科学的には発達障害とは「個性であり、正解である」が現在の考え方。
②大学生は質問をしない。それは、学校で問いを考えるより、答えを覚えた方が早い詰め込み教育に慣れてきたから。
きのくにの卒業生が問いを立てながら意欲的に学ぶのは、「くらしから問いが生まれる経験を積んでいる」からではないか。
③学校の先生のマインドが「楽しければいい」。夢中になるから自分で考え、自分の存在価値にきづく。夢中は努力に勝る。
2.ふみえさんのFeeling3選
➀自由
子どもが通っていたラボパーティーのことを思い出した。自由がなければ自主性が育つのは難しいと思う。映画の小学校の大人とラボチューターが重なった。教育は子どもと大人の共同作業?
②幸せ
現在、働くことにストレスを抱えている人が多い。他人よりも優秀である事を証明し続けなければと思っている人が多いからではないか。それはテスト等で競争にさらされる現在の教育から来ているような気がする。
③大学受験
今回の映画のように小さい動き(ミクロ)で世の中はよくなっている気がするが、大きい動き(マクロ)で教育が変わらないか。そのカギは「大学受験」ではないか。大学受験をゴールとして教育や子育てがなされている気がするから。例えば、マラソン3kmの科目を設けたら、塾や家庭や学校がマラソンを一斉にさせるのでは、、。
3.ミカエルのFeeling3選
➀懐かしい
2年前、本の中で「ニイル」に出会い、自由な学校を日本にどこにあるのか調べていると、福岡インターナショナルデモクラティックスクールの学校にインターンに行ったときを思い出した。その学校では子供が裁判を行っていた。(校長先生が生徒に訴えられていたW)
②みらいの学校?過去の学校?
今ある学校は「産業革命」があったから今の学校がある。「AI革命」に合わせたみらいの教育がいま作られている。一方で、人を育てるという本来の教育に戻っているのではないか。探究学習も昔からあって、あたりまえ
③キソの授業?
ASニール(サマーヒルスクール)(アメリカでは「サドベリー」)は基礎の授業すらない。きのくにこどもの村には、一部「基礎の授業」があるが、サマーヒルスクールを日本版にカスタマイズしているのではないか。そもそも基礎の定義ってなに?。
4.ミオさんのFeeling3選
➀ナラティブ(文章)による成績
今年度から導入された観点別評価で仕事量が倍増するが、うまく機能していることを実感しない。定期考査で○点、パフォーマンス評価が○点、振り返りが○点・・・だから、A・B・C・・・。点数やアルファベットの文字にどんな意味があるのか?成績のための成績になっている。生徒をみて成績をつけるのではなく、成績をつけるために成績をつけている・・・。
文章による成績にすれば、もっと目の前の生徒をよくみるようになるのではないか。
②民主的な学校
民主的な学校
多くの子どもたちは、12年間の学校生活において民主主義を全く経験せずに18歳になり、選挙権だけを与えられる(急にはしごをはずされる感覚)。自分も含めて、実は大人も自分のこと自分で決めていないのではないか。教師と子どもの関係は、管理職と教員、教育委員会と学校と同じで入れ子構造になっている。
③自分で考える「自立」
映画を観ていて、自分の頭が「管理・統制・効率」を重視しがちで、従来の学校教育に飼い慣らされてしまっていることに気づく(職員室に生徒が自由にいることにひやひやしたり、散らかった部屋を誰が片づけるかと心配したり)。
日本は「自律」ではなくて「自立」にすべきではないか。「自律」はAutonomyの誤った和訳ではないのか。自立とは自分のベストを尽くして幸せに生きることだと思う。
英語圏では 「Autonomy = Independent」の感覚で使っているらしい。
「Auto ・・・自分」+「Nomos・・・法律」=自分のできることを自分で決めてやっていく「自立」である。
5.まとめ
「夢見る小学校」は、超絶オススメです。
そして、鑑賞後に仲間と感想をシェアし合うことも、学びがさらに、オススメします。
感想のシェアの仕方は、「3つ(以下)にまとめる」ことが個人的にオススメです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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