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数学 Project note#6 なぜ数学でプロジェクト学習なのか

テスト・受験のためだけの教科書”を”教える授業からの脱却を目指し、高校数学のプロジェクト学習を紹介する記事です。お気づきなことがあればご指摘いただければ幸いです。

0.はじめに ~教師の違和感~

数学を教えていての違和感、それは、
テストの前に駆け込み勉強で直後には忘れ、受験科目であれば勉強するが、受験科目でなければ数学を”捨てる”
生徒の気持ちはよく分かる。私も苦手科目は同じような気持ちだった。でもそんなことでよいのだろうか?

では、果たして、受験やテストのせいなのか?
入試改革で受験方式も多様になるな中で、多様な学び方が担保されるようになったとはいえ、やはり、「校内推薦枠」や「大学の求める条件」に学校の内申点があるもんだから、テストに問われることしか学ばない、テストのためだけの勉強になりがち。
ただし、私はテストのための勉強を全否定しません。テストの効果で数学を好きになる、解くことが楽しくなる効果も一部あると思うからです。ただし、現状はテストや受験に偏り過ぎていると思います。

私の願いは大きく一つ、「80年のための教科教育であってほしい」(以下、『80年のため』と称す)のです。

尚志会プレゼン (6)

1.山﨑の授業デザイン

大きく2つのスタイルをとって授業を行っている。

画像2スタイル1)【数学の世界】『知る数学』
80年のため』には、「自ら学ぶ」「協働して学ぶ」「学び続ける」を掲げ、生徒が「いつ・どこで・誰と・何を・どうやって」学ぶかを生徒自ら決められる環境を目指している。
「ほっ解く」といえば聞こえは悪いかもしれないが、決して放任しているわけではない、
①開始時の10分のマインドセット問いかけ
②生徒の行動を観察する(評価をする)
③今日の授業や私の気づきを共有して、生徒は振り返りシートを記入
主にこのような流れで行っている。

スタイル2)【日常の数学】『使う数学』
日常の事象の中で「使う」というのは大きく2つあると考えています。
①直接使う・・・四則演算、データ、表、統計、確率のように、道具のように使用する
②見方考え方を使う・・・学年が上がるにつれて、抽象的な内容が増え、①より②の方が多くなる。

0817広島中等教育学校 (15)

(山﨑の授業スタイルは、指導要領にも載っている内容なので珍しいことではなく、どの数学教員も同じマインドいると思います・・・)

2.数学の見方考え方とは

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一度、見えたら、もうそのようにしか見えませんよね?(答えは下の方へ)

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これは、難問ですね。生徒にも同じ話をしますが、だいたいクラスの1人が気づくと不思議と連鎖して色んな人が見えてるようになります。ヒントは、人がいます。(答えは下の方へ)

今までは素通りしていた景色が、一度数学的に考えることで、数学の見え方・考え方ができてしまう。日常の事象を「数学の虫眼鏡」で見ること、「数学という補助線を引くこと」これがまさに「数学の見方考え方を使う」ということと思います。

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小中の教科の見方考え方(広島県教育委員会まとめ) https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/255134.pdf
高校 各教科の見方考え方(広島県教育委員会まとめ)https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/343943.pdf

1つ目の答え:赤ちゃん
2つ目の答え:バレリーナの2人

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3.教科外に出てこそ教科の本当の意義

これまで述べたことは、「教科の見方考え方を使う」のは、数学だけではありません。たぶん、多くの教科の先生は分かっていると思います。

しかし、探究の重要性が分かっている、探究・特別活動と教科を繋げて考えるマインドを持っている方は少ないように個人的に思います。

その教科で学んだ「見方考え方」をその教科以外の場面、教室以外のフィールドで使ってこそ、本当に意義が生まれ、キャリア教育に繋がると思うのです。社会人の話を聞く、職場体験をするだけがキャリア教育ではないと強く思います。

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リクルート「キャリアガイダンス vol.427 2019.5」P21より
https://shingakunet.com/ebook/cg/427/html5.html#page=21

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4.最後に

生意気なことを述べたかもしれませんが、私もまだまだ『知る数学』も『使う数学も』思い通りにはいっていません。具体的な数学プロジェクトの投稿もご覧になっていただき、ご意見を頂きたいです。

なぜ、数学プロジェクト学習が必要なのか、それは

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教科の見方考え方を使って、日常と教科を「繋ぐ重要な役割が教師にはあるからではないでしょうか。1~2日授業をするくらいなら、もしかしたら、多くの大人でもできるかもしれません。しかし、教師は1~3年、1~6年のように長い時間をかけ、「支え」「繋ぎ」「見取る」ことができるのは、プロの業だと思います。

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Society5.0時代に対応した教員養成を先導する教員養成フラッグシップ大学の在り方について(最終報告)令和2年1月23日
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/082/sonota/1421812_00001.htm
※下線や赤字や太字は山﨑が加筆しました。

最後まで読んで頂きありがとうございます。
ワクワクする数学教育の一助になれば幸いです。

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