気温のレキシ(名古屋,つくば)
1.はじめに
気温の歴史について調べて分析してます。
前回は、南極・昭和基地の気温の変化を調べました。
そこでは、次のような傾向があることを見つけました。
・最高気温はほとんど変化していない
・しかし、最低気温は上がっている
・平均気温は、微増だが、やはり上がっている
この仮説が、日本国内でもあてはまるのかどうか?
そして、この仮説が地球全体にもあてはまるのか??
時間をかけ、仮説検証していきたいと思います。
というわけで、
気象庁のサイトで公開されている測候所の観測データを用い、
日本各地の気温の推移についてオリジナルの図表を作り、
データ分析しています。
私の縁のある土地をピックアップしてます。
ぼちぼちと調査・検証していきます。
現時点では雑ぱくな分析ですので、
ひとつのエンターテイメント!?
として見てください。
今回は、名古屋市とつくば市の気温について紹介します。
2.名古屋の気温
名古屋の気温データについて紹介、分析します。
図1~3は、1890年から今年2023年までの名古屋の平均気温、最高気温、最低気温のデータです。
現段階では、定性的な分析をしたいと思います。
(図表や分析が簡易的な点、ご容赦ください。あくまでアマチュア目線の分析の途中経過として見てください。)
①平均気温について:図1から、つぎのことがわかります。
・観測はじめの1890年ころに比べ、2023年現在では、平均気温が2℃ほど上がっている。やはり「平均」気温は、上がっている。
・約130年間で、約2℃の上昇。
・ただし、1940年ころまでのグラフは上昇ではなく、むしろ下がっているようにも見える。その後、1980年ころから、グラフが右肩上がりにになっている。
・つまり、1980年ころから平均気温が上昇している。(1960年ころから上昇とも見える。)
②最高気温について:図2から、つぎのことがわかります。
・昔から40℃近くの高温になる日はあった。例えば、1932年の39.9℃。約40℃というのは、最近始まったものではなかった。(これは意外だった。)
・グラフは右肩上がりというわけではなく、1960~1970年代前半は、あまり高温になる日がなかった。比較的、穏やかな夏の期間だったか。
・ただし、1983年以降、38℃以上の日が頻発するようになる。
・1994年以降、39℃以上の日が頻発する。最高気温が一段階上側にシフトした。
・しかし、「40℃あたりに抵抗線があり」、そこを抜けないようにも見える。
③最低気温について:図3から、つぎのことがわかります。
・最低気温もやはり、130年間で約2℃くらい上がっている。
・以前は-10℃になる日もあったが、ここ数年では-4℃くらいにしか下がらない。つまり、寒くならない。
・1960年ころを境に、フェーズが変わっている。1960年以降は、グラフが右肩上がりで、最低気温がぐんと上がってきている。寒くならないようになってきている。
以上、名古屋の気温について、グラフを眺めての定性的な分析です。
南極の分析結果とも少し違う所がありますが、
ここから、日本国内の気温上昇に関して、次のような傾向を見つけました。
(気象分野において素人の私の仮説である点ご注意ください!!でも、データは1次データなので事実となります^^)
(1)平均気温は、年々上がっている
(2)夏の最高気温は上がっているが、しきい値があり、そこを超えないかもしれない?
(3)最低気温の上昇度合いが顕著である。冬に、寒くならなくなっている。
違う地域をピックアップしていき、この傾向と仮説の検証をしていきます。
そして、目的として、今後どうなっていくのかを予想していきます。
3.つくばの気温
つぎに、つくば市の気温の推移についての分析です。
図4~6は、つくばの観測データの分析結果です。
つくば市の測候所の1921年から今年2023年8月までの約100年間のデータとなります。
詳細分析するとたくさんの事が見えてきそうですが、
ここでも、まず簡単に定性的にわかったことを示します。
(現段階では仮説を作るための大まかな分析と考察である点、ご了承ください。)
①平均気温について:
・平均気温は、この100年で約2℃上がっている(近似曲線から)。
②最高気温について:
・最高気温はこの100年で上がってきてはいるが、その上昇幅は小さい。
・ただし、1990年の前後で傾向に違いが見える。
・1990年以降、一段階、最高気温が上がっているように見える。
③最低気温について:
・最低気温の推移には明確な特徴、変化がある。
・この100年で、最低気温は大きく上がっている。近似曲線で+6℃程度の上昇が見られる。
つくばの分析結果を一言でいうとこうなります。
「最低気温が大きく上昇している」
最低気温の上昇、つまり冬の一番寒い日の気温が、あきらかに上がっています!
これは、興味深い発見です。
それに対し、最高気温の変化は、比較的マイルドであるように思います。
つまり、一番暑い日の気温は高くなってきているが、その上がり具合が小さいです。(近似曲線の傾きが小さい。)
それと比較し、最低気温は、明らかに上昇していて、
冬に以前のような-17度近くの寒さになる様なことは近年起こらなくなっている、
ということがわかりました。
冬の厳しい寒さが和らぐのは、個人的には悪くないとは思いますが・・・
つくばといえば、1985年のつくば万博です。
図表を見ていると、1985年あたりで気温上昇の変化あるようにも見えます。
万博と気温の関係、なにか関係があるかもしれない??
(つくばに研究者と公務員の入植がはじまったのは1970年ころ、企業が増えだしたのは1985年の万博以降。つくばの生産活動と気温上昇は、何か関係あるのかも・・・???)
以上、今回は名古屋市とつくば市の気温の紹介でした。
また、違うエリアをピックアップしていき、
「ミクロな」気温上昇について仮説検証していきます。