方法の数は無限大(C-018 2018.09.04)
これしかない。こうしなければならない……。私には限界をつくる心のクセがあります。クセなので無意識の反応です。でも、そのクセが出ていることに気づいたとき、限界付けた枠を外すことも選べるようになる。限界がなくなれば方法の数は無限大です。
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この記事は、メールマガジン【前進の軌跡】(2018年9月4日配信)の転載です。
台風21号の接近に警戒を
さきほど4時20分に私の住む愛知県西三河南部に、暴風、波浪警報が発表されました。非常に強い台風21号は本日昼過ぎから夕方にかけて東海地方にかなり接近する見込みです。暴風圏内および付近の方は最大限の警戒と準備をお願いします。
今年は災害が多い。日本中が感じていることだと思います。被災地ならば「もう来て欲しくない」と心から願うでしょう。「備え」を訴えれば訴えるほど、抵抗するのではなく受け入れる在り方が必要なのではと感じます。
レジリエンスという言葉を耳にする機会が増えました。「困難な状況でも、しなやかに適応して生き延びる力」という意味だそうです。回復力や弾性とも訳されます。
今日のコンテンツは、あらたな試みについて。実証実験が始まりました。
抵抗をやめて受け入れる
この1週間、7箇所で携帯トイレトレーニングが実施され、うち5箇所では主催者がトレーナーをつとめました。残り2箇所でも私以外のトレーナーが4人活躍しました。体験者が毎週増え続けています。私ひとりでは絶対にできていないことが起きている。2年前に思い描いたとおりです。
同時に課題も見えてきました。体験の「質」です。防災訓練のようなスタイルでトレーニングを行う場合、限られた時間内で体験を提供することが求められます。人数が多いほど、一人ひとりの体験の質は、相対的に下がります。
トレーナーと便器の数を増やすことが質を上げる方法。しかしこれこそが課題の本質です。人がいない、便器がない。「携帯トイレトレーニングをやりたい」という声はたくさんあります。「ここで携帯トイレトレーニングして欲しい」という環境も山ほどあります。
「トレーナーと便器問題」で実施を断念する、あるいは「使い方説明」だけをしているケースがとても多い。それを解決できるかもしれないレジリエンスな方法が提案されました。
「ここで携帯トイレトレーニングをして欲しい」と私が思っていたものの一つが、学校です。「Code for AICHI」という団体と共同で、ある自治体の教育委員会にそれを訴えました。担当の先生はトレーニングの価値を理解した上で「授業として採用するのは難しい」と明言されました。つづけて「最初から携帯トイレを配ってしまえばいいですよ」と言われました。
その場で顔には出さなかったものの、私の心には瞬間的に「抵抗」が出ていました。「トレーニングをしてから渡すことに意味がある。トレーニング抜きで配っても、体験しない……」という強い思い込みが私の中にありました。
「『使い方を覚えて、家族に教えてあげよう。君たちが家族を守るんだよ』
と言えば、子どもたちはやりますよ」と先生。これを聞いて、少し抵抗がとれました。「ひょっとしたらいけるかも」「さすが現場を知っている方だ」と思いました。そして背中を押してくれたのがCode for AICHI。「予算をこちらで負担して、やっちゃいましょう」と1200個の袋詰め作業を一緒にやってくれました。
昨日、520人の4年生児童に渡す携帯トイレを教育委員会に納品してきました。
● 家族を守るのは君だ、というメッセージ
● 子どものやる気が出る楽しいイラストでの説明
● 意図を説明した学校と保護者への協力依頼文書
● WEBページでの動画によるフォロー
など、できうる工夫を詰め込みました。さぁ、実証実験の始まりです。実験結果は約1ヵ月半後に出ます。質は担保されるか。結果を検証し、試行錯誤を重ねます。
トレーニングは方法であり、目的は体験です。
体験の質を決めるものは何か。トレーナーと便器だと思っていましたが、もっとも大切なのは「主体性」でした。Educate(教育する)の語源は「引き出す」。トレーニングで主体性をいかに引き出すか。
抵抗をやめたら、新しい価値に気づきました。
方法は無限大です。
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◇今回の気づき
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抵抗をやめて受け入れる
方法は無限大
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この記事は、メールマガジン【前進の軌跡】(vol.018 2018年9月4日配信)のコンテンツ部の転載です。(タイトルの"C"は、"Content"の頭文字)
あきらかな誤字・脱字を除き、当時の文章をそのまま「軌跡」として残します。
この日の「編集後記」はこちら。
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