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積読かわりに読んだよ:今年のベスト本・その2『限りある時間の使い方』『エッセンシャル思考』2024年12月3本目
こんにちは。あなたの積読、代わりに読んで読みやすいよう噛み砕くレビュ―シリーズ。今回は年末特別版として「2024年のベスト本 その2」をお届けします。
その1はこちら。
第2弾は『限りある時間の使い方 人生は「4000週間」あなたはどう使うか?』と『エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする』の2冊を紹介します。この2冊に共通するテーマは「時間」です。
2025年を迎える前に「時間」について考える
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2024年が終わろうとするなか、約1年を通じ続けてきた #積読かわりに読んだよ の締めくくりに「時間」を扱いたいのには理由があります。
それは私も含め、ビジネス書を積読する方々は「時間」についてゆっくり考えられない生活を送っているからです。目の前のタスクに追われ、気づけば夜。また明日から会社だ……と思って目を閉じる。そんな暮らしを、続けていないでしょうか。
本のタイトルで、人生は4,000週間だと書かれています。そして、私たちは今年すでに50週を過去に送り出したことになります。
そして私たちは、1年という時間をベルトコンベアで運ばれている容器のようにイメージしがちです。今年を振り返り「これもできた、あれもできた」と容器をいっぱいにできれば「充実した1年を過ごせた」と感じます。
逆に、容器が埋まらない、からっぽの時間を過ごしたと考えれば「時間を無駄にした」と感じるようにできている。それが、『限りある時間の使い方 』に書かれていた内容でした。
究極の時間管理術とは、時間いっぱいはたらくことではない
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ビジネス書が、時間管理に触れるとき。そのアプローチは基本的に「いかに時間という限られた容器へ、パンパンに予定を詰め込むか」を伝えてきます。しかし、ここで取り上げた2冊の本に共通する思想は異なります。
現実を直視することは、ほかの何よりも効果的な時間管理術だ。(そして)現実を受け入れるというのは、つまり『何もかもはできない』と認めることだ。
すべてを手に入れることはできない。何もかもやるなんて不可能だ。何かを選ぶことは、すなわち何かを捨てること。『どうやって全部終わらせようか』と考えるのをやめて、『どの問題がいちばん重要か?』と考えよう
この2冊は、「そもそも、そのタスクって、容器に詰め込むべきかな?」と問いかけてきます。つまり、時間いっぱいに仕事をするのではなく、そもそもいらない仕事をするのをやめる。これが、究極の時間術だというのです。
時間術とは単なるライフハックではなく、自分の価値基準で仕事を選び取ること、すなわちキャリアオーナーシップにつながっていきます。
キャリアオーナーシップとしての時間管理術
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と言いつつも……仕事で重要度順にタスクを整理しろなんて新卒でも言われます。現実問題として、タスクを選別できる人がどれだけいるのでしょうか?
はたらいていればやりたくないこと、瑣末なこともどんどん飛び込んできます。まさに、前の記事で書いた『ブルシット・ジョブ』は増える宿命にあります。
だからこそ、年末年始を使って考えてほしいのです。
2025年からは、どうすれば自分にとって大切なことを選び取れるのかを。
「今を生きろ」という言葉をかみしめろ
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私たちはよく、元旦に新年の抱負を決めますね。何とか今年を充実させようと、計画を立てます。しかし、『限りある時間の使い方 』によれば、時間を所有してコントロールしようとするほど、「その日」を大事にできなくなり、遠い未来のために今を犠牲にしてしまいます。
私は、今年友人をひとり亡くしました。亡くしたことをいまも認めがたいほど、大事な友人でした。
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