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江崎グリコ基幹システム移行トラブルが、中長期的な売上へ及ぼす影響
基幹システムとは、企業の経営に欠かせない主要業務を効率化・自動化するため、販売管理、生産管理、財務会計などの業務データを管理するしくみです。人体でいえば脳にあたる大変重要な部分であり、基幹システムが動かないとなると、メーカーにとっては致命傷となりえます。
2024年4月3日、江崎グリコは新しい基幹システムへと移行を試み、そこからシステム障害が続いています。障害原因の詳細は江崎グリコ社から公表されていませんが、問題箇所の特定までは2024年5月21日現在、完了しているとのことです。
この基幹システム障害により、チルド(冷蔵)ブランド17品目が影響を受け、現在も出荷できていません。影響を受けているブランドは、以下の通りです。
江崎グリコ株式会社
ヨーグルト健康、プッチンプリン、とろ〜りクリームon、スイーツ系乳飲料、野菜足りてますか?、機能性乳飲料、グリコ牛乳、アーモンド効果、高原特選牛乳、グリコJA牛乳さが生まれ、おいしいカスピ海、カフェゼリー、カフェオーレ、幼児向け飲料、100%果汁飲料シリーズ、BifiX、朝食りんごヨーグルト
キリンビバレッジ株式会社 ※江崎グリコへ出荷を委託していました
トロピカーナ、無添加野菜、毎日果菜、トマトジュース、ファイア ゴールドラッシュ、午後の紅茶、生茶(すべて紙パック製品のみ対象)
https://www.kirin.co.jp/info/202404tropicana.pdf
なお、常温・冷凍食品も同トラブルの影響を受けていますが、賞味期限が長いためにまだ影響を受けていないだけであり、今後は影響を受けるおそれがあります。
なんと、基幹システムに障害が発生してからは、手作業で出荷業務を継続しようとしていたようです。ところが、システム上の在庫数と倉庫内の実数が一致しませんでした。冷蔵食品は賞味期限が短いことから、ここで人海戦術も諦めざるを得なくなった……という事情のようです。
トラブルの原因分析や株価への影響は他の媒体に任せるとして、この記事では中長期的な影響を知りたい方のために、「営業とマーケティングにどのような影響が起きるか」を中心に書いていきます。
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