【小説】サイリウム
秋葉原の雑多な通りを歩きながら、甲高い声とサイリウムの輝きに目を細めた。僕はそう、地元密着型のアイドル、亜美ちゃんの熱烈なファンだ。仕事の疲れを吹き飛ばすパワーが彼女にはある。電気街の一角で行われる小さなライブで、彼女の歌と笑顔に元気をもらう。
しかし、その日の夜、Twitterで流れてきたのは彼女の結婚報告だった。僕の心は落ちるような重さを感じた。確かに、彼女が幸せになるのは素晴らしいこと。だけど、その瞬間、僕の心の中で何かが壊れた。
それから約3ヶ月が過ぎた。この間、仕事