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【岩手の新風】漁村暮らしを民泊で発信

 本州最東端にある岩手県宮古市重茂地区で今年2月、漁家民泊を始めた女性がいる。横浜市出身の中村菜摘さん(28)。結婚を機に移住した漁村の暮らしの魅力を体験してもらおうと、県外の学生らを受け入れている。
 「夫がけさ取ってきたウニです」。ウニ漁が始まった7月、中村さんは漁協が運営する施設で学生らに殻むき作業を教えていた。
 重茂の漁家に育った孝志さん(28)と結婚し、購入した空き家を「海のみやこ」と名付けて民泊を開始。これまで学生やハイカーら延べ130人を受け入れた。漁業の体験が人気で「人が来ると漁師もうれしいみたいで、漁村が元気になる」と実感する。
 きっかけは結婚後間もない頃、夫の実家で漁業体験をした中学生の「漁師になるのもありかな」の一言。自身も魅せられたこの世界をまずは体験して知ってもらうことで、後継ぎ不足などの課題解決のきっかけになるのではと考えた。
 水産業を取り巻く環境は厳しいが「実際は明るさとパワフルさにあふれている」と中村さん。漁村が持続していくために「将来は受け入れ態勢が広がり、観光客が毎日、誰かの家に来ているようになったらいいな」と思い描く。 (岩手日報社)

民泊利用者にウニの殻むき作業を教える中村菜摘さん(右から2人目)=2024年7月、岩手県宮古市の市重茂水産体験交流館
民泊利用者にウニの殻むき作業を教える中村菜摘さん(右)=2024年7月、岩手県宮古市の市重茂水産体験交流館

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