【宮城の掘りおこし】なじみの薄い魚をホテルで提供/食材としての活用策探る
三陸沿岸で水揚げされる魚種が、海水温の上昇などによって変わりつつある。若手漁師らでつくる一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン(FJ、宮城県石巻市)と秋保温泉ホテル瑞鳳(仙台市太白区)は、なじみが薄く調理法の浸透していない魚を食材に活用する「三陸シーフードガストロノミー(美食学)」を展開。「東北に根付いた食文化を作り直す」と力を込める。
瑞鳳のレストランの一角に、FJが提案した食材約10種を使った和洋中の料理が並んだ。南方系のタチウオの八幡巻き、流通量が少ないモスソガイ(アワビツブ)の中華炒め。頭が硬く加工しにくいカナガシラは、揚げて唐辛子とスパイスを利かせた。いずれも市場に出回りにくい魚種ばかり。手がけた鈴木宏信総料理長(56)は「供給量、品質や安全性といった基準にかなう食材を厳選し、宮城や東北らしい料理に仕上げた」と話す。
6月中旬から9月中旬まで実施。「知らない食材をたくさん食べられた」と宿泊客の評判は上々だったという。フィッシャーマン・ジャパン・マーケティングの津田祐樹社長(42)は「ほかのホテルや飲食店にも広げたい」と意気込む。(河北新報社)
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